叔母さんは、私にはできないことができた。麗を抱えた私を受け入れてくれたのだって、昔の私なら全然できることじゃないと思う。
「だけど私だって昔は望と同じだったよ。いくら血が繋がってても私の子供じゃない子を連れた姪っ子の面倒を見るなんて、できなかった。私の両親も望の両親と同じだったからね。
だけどさ、あいつが私を変えてくれたんだよ。
もちろん今でも、ぜんぜん知らない赤の他人の面倒を見るなんてできないよ。仮にも何度も顔を合わしたことのある望とその赤ちゃんだったからできたことだっていうのは間違いなくある。
それでも、前は無理だった。その無理だったことができるようになれたのもあいつのおかげだよ」
『あいつ』
伯母さんの亡くなった彼氏。叔母さんもその人からたくさんのことを教わったって。
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