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続きを書くのが遅くなりすみません!
待っていてくれる人がいたら嬉しいなぁ
では!続きをお楽しみください🙇
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昨夜の“不破湊に抱きしめられ、額に触れたキス未満の距離”…それを思い出した瞬間、葛葉の頭は沸騰したみたいに真っ赤になる。
布団の中で、声にならない叫びを押し殺しながら転がる。
「……っな、なんなんだよあれ……!」
胸の奥がぎゅうっと締め付けられる。
怖さもあったけど、それ以上に“安心”が勝ってしまった自分が恥ずかしい。
拒否したはずなのに、あの温度に身体を預けてしまった。
(……俺、どうかしてんのか?)
自分の心が思い通りにならない。
その混乱が、頬をさらに赤くしていた。
不破湊はと言うと──
朝から妙に穏やかで、でも目だけが熱い。
机に座る葛葉を見つけただけで、口元がふっと優しく緩む。
(……昨日、あんな顔で俺にしがみつくから……全部、守りたくなったじゃん)
嬉しさと独占欲が、静かに胸で燃えている。
触れた額の温度を思い出すたび、喉の奥が甘く痺れた。
そして葛葉が真っ赤な顔で目を逸らすのを見ると──
その視線はさらに深く、恋い慕う色を濃くしていく。
(逃げても無駄だよ、ずは。
もっとちゃんと、俺を意識して?)
声には出さない。
けれどそのまなざしは、葛葉を飲み込むほど甘く強い。
叶side
叶が部屋に入ってきた瞬間。
見えたのはこうだ。
・真っ赤で挙動不審な葛葉
・それを見つめて柔らかく微笑む不破湊
一瞬で状況を察した。
(……これ、絶対なにかあったな)
胸がチクッと痛む。
葛葉に向けてきた一途な好意を隠してきたのに、
不破湊だけが一歩先に進んでしまったみたいで。
だけど、叶は笑顔を崩さない。
「葛葉、顔赤いけど……どうしたの?」
優しい声。
でもその裏側で、独占欲がゆっくり熱を帯びていく。
(……僕のことだけ見ればいいのに)
不破湊の視線が、明らかに“恋人を見る目”になっているのを見て、
叶の中のスイッチが音を立てて入った。
(だったら……
僕も、引くわけにはいかない。
葛葉を好きになったのは、僕の方が先なんだから)
そう決めた途端、叶は葛葉へ一歩近づく。
ふわりと微笑んで──
その手で葛葉の乱れた前髪をそっと直す。
「ねぇ葛葉。今日、僕と約束あったよね、?
……離れないでよ」
声は甘く優しいのに、言葉の奥にある“独占したい”気持ちは隠しきれていない。
葛葉はさらに真っ赤になって、完全に固まった。
叶の動きを見て、不破湊の目が細くなる。
笑ってる。
でも温度が低い。
「……へぇ。今日は叶さんと、ね」
その一瞬の空気だけで、
叶と不破湊の間にバチッと火花が散った。
葛葉だけが知らない。
自分がどれだけ愛され、奪い合われているか。