テラーノベル
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今回はドクターストーンの世界に転生、愛され系書きます!
レッツラゴー∠( ˙-˙ )/
「――ここ、どこ……?」
目を開けた瞬間。
少女の視界いっぱいに広がっていたのは、見覚えのない青空だった。
「……え?」
身体を起こす。
見渡しても、建物はない。
道路もない。
車もない。
あるのは、どこまでも続く森と、遠くに見える巨大な岩山。
「…………」
少女はしばらく固まった。
そして――
「いやいやいやいや!?」
思わず叫ぶ。
「ここどこなの!?」
返事はない。
鳥の鳴き声だけが森の中に響いた。
少女は慌てて立ち上がる。
「スマホ……!」
ポケットを探す。
ない。
「鞄……!」
ない。
「え、待って……」
胸がどんどん苦しくなる。
「私……どうなったの……?」
そのとき。
ガサッ。
「!」
背後の茂みが揺れた。
「だ、誰!?」
少女が身構える。
茂みから出てきたのは――
「おっ!」
巨大な体格の少年だった。
「人間発見だァァァ!!」
「え?」
少年は満面の笑みを浮かべる。
「大樹!?」
「ん?」
「大樹って……え?」
少女は混乱する。
目の前にいる少年には、見覚えがあった。
いや。
正確には――
知っている。
漫画で。
アニメで。
何度も見た。
「……Dr.STONE……?」
「?」
大樹が首を傾げる。
「どうしたんだ?」
「うそ……」
少女の顔から血の気が引いていく。
「ここ……石化した世界……?」
「石化?」
「え?」
「何の話だ?」
「…………」
少女は頭を抱えた。
「嘘でしょ……」
そして数秒後。
「――私、Dr.STONEの世界に来ちゃった!?」
「どくたー……?」
大樹は困ったように笑った。
「よく分からんが……」
そして。
「困っているなら、俺が助けるぞ!」
ドンッ!!
自信満々の笑顔。
少女は思わず笑ってしまった。
「……大樹って、本当に大樹なんだ」
「?」
「ううん!」
少女は立ち上がる。
「ありがとう!」
「うむ!」
その瞬間だった。
森の奥から声が響いた。
「おーい、大樹」
「千空!」
少女の心臓が跳ねた。
木々の間から現れたのは――
白い髪。
赤い目。
額に刻まれた傷。
「…………」
少女は言葉を失う。
「お前、誰だ?」
千空が少女を見る。
「……っ」
本物だ。
本物の千空だ。
「えっと……」
少女は慌てて頭を下げた。
「は、初めまして!」
「初めましてじゃねぇだろ」
「え?」
「その反応、俺を知ってるな?」
「……!」
千空の目が細くなる。
「ほう?」
少女は固まった。
(やばい……)
(千空に疑われてる……!)
「お前、どこから来た?」
「えっと……」
「名前は?」
「……○○」
「○○か」
千空は少女をじっと観察する。
「服装、持ち物なし。文明知識はそれなりにありそうだが、現代人にしては状況への適応が妙に早ぇ」
「…………」
「で?」
千空がニヤリと笑う。
「お前、何を知ってる?」
「…………」
少女は迷った。
言っていいのだろうか。
自分はこの世界を知っている。
石化光線も。
科学王国も。
司帝国も。
そして――
これから起こる出来事も。
「……私」
少女はゆっくり口を開く。
「この世界のこと……少しだけ知ってる」
千空の表情が変わった。
「ほう」
「でも……」
少女はぎゅっと手を握る。
「全部を知ってるわけじゃない」
「……」
「だから、私も一緒に探したい」
千空はしばらく黙っていた。
やがて。
「ククク」
口元を吊り上げる。
「面白ぇじゃねぇか」
「え?」
「採用だ」
「採用!?」
「科学王国へようこそってな」
「……!」
少女の顔がぱっと明るくなる。
「本当に!?」
「もちろんだ」
大樹も嬉しそうに頷く。
「仲間が増えるのは素晴らしいことだ!」
「……ありがとう」
少女は胸を撫で下ろした。
しかし。
千空はまだ何かを考えていた。
(こいつ……)
(この世界に来たばかりにしちゃ、妙に落ち着いてやがる)
(だが――)
少女を見る。
嬉しそうに笑っている。
(悪い奴には見えねぇ)
そして千空は歩き出した。
「ほら、行くぞ」
「どこへ?」
「村だ」
「村……?」
「お前を連れてく」
「……!」
少女は急いで二人の後を追った。
その道中。
大樹が少女に質問する。
「○○は何が得意なんだ?」
「え?」
「料理か? 工作か? 走ることか?」
「うーん……」
少女は考える。
「人の顔と名前を覚えるのは得意かも」
「それはすごい!」
「あと……」
少女は少し笑う。
「みんなを元気にすること!」
「それは重要だ!」
大樹は力強く頷いた。
その少し前を歩いていた千空が振り返る。
「……ほう」
「?」
「なら、お前は科学王国で案外重要な役割になるかもな」
「本当?」
「ああ」
千空はニヤリ。
「科学は、人間がいて初めて意味があるからな」
少女はその言葉に笑った。
――その日。
科学王国に、新しい仲間が加わった。
まだ誰も知らない。
この少女が――
これから科学王国の空気を大きく変えていくことを。
そして。
「……あれ?」
村が見えてきた。
少女が足を止める。
「誰かいる」
「おう」
千空が答える。
「クロムだ」
「クロム……!」
少女の目が輝く。
「科学オタクの!」
「お前、やっぱ知ってんな?」
「……あ」
しまった。
千空がニヤニヤしている。
「ま、いいけどな」
「え、いいの!?」
「科学王国に役立つ知識なら大歓迎だ」
そして村へ到着する。
「千空ーー!!」
クロムが駆け寄ってくる。
「おせぇぞ!」
「うるせぇ」
「……ん?」
クロムが少女を見る。
「誰だこいつ?」
「新入りだ」
「新入り!?」
クロムの目が輝いた。
「お前、科学好きか!?」
「好き!」
「よっしゃぁぁ!!」
「クロム、声大きい!」
「だって新しい仲間だぞ!」
その声を聞いて。
コハクがやってくる。
「何の騒ぎだ?」
「あ、コハク!」
少女が思わず名前を呼ぶ。
「……?」
コハクが目を細めた。
「なぜ私の名を知っている?」
「あっ」
またやってしまった。
少女は慌てて笑う。
「えっと……千空から聞いた!」
「そうか?」
コハクは少し不思議そうにしながらも、少女を見る。
「……まあいい」
そして。
「よろしくな」
「……!」
差し出された手。
少女は嬉しそうに握り返す。
「よろしく!」
こうして。
一人。
また一人。
科学王国の仲間たちと出会っていく。
――けれど。
その夜。
少女は一人、焚き火を見つめていた。
「……本当に来ちゃったんだ」
夢じゃない。
漫画でもない。
ここは、本物の石の世界。
「……帰れるのかな」
その声を。
偶然、千空が聞いていた。
「帰れる」
「……え?」
振り向く。
千空が立っている。
「科学に不可能はねぇ」
「……千空」
「だから泣くな」
「泣いてないよ」
「目ぇ赤ぇぞ」
「……」
少女は少しだけ笑う。
「……ありがとう」
千空は焚き火の向こうから少女を見る。
「礼は、帰れる方法を作ってから言え」
「うん!」
少女は頷いた。
その笑顔を見て。
千空は小さく笑った。
「――じゃあ、明日から忙しくなるぞ」
「うん!」
「科学王国の新入り」
「はい!」
「覚悟しとけよ」
「任せて!」
少女の新しい日々が。
今、始まった。
お
わ
り
だ
よ
!
コメント
3件
ああ、第1話からもう胸がいっぱいです……! 千空に「お前、何を知ってる?」って詰められるところ、すごくドキドキしました。でも、あの「採用だ」の一言で一気に安心させられるのが、千空らしくて最高でした。焚き火の前で「帰れる」って言ってくれるシーン、じんわり来ました。転生者ならではの「知ってるけど全部は知らない」って距離感が効いてて、これからの化学王国での活躍が本当に楽しみです!
44
莉愛
さゆとむ
3