テラーノベル
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「おいタケミっち、ケンチン。この新しく始まった不良アニメ、登場人物の顔に性格が全部書いてあるぞ」
佐野家のマイキーの部屋。
ポテトチップスをかじりながら、マイキーはテレビ画面を指差して得意げに言い放った。
画面に映っているのは、最近巷で話題になっている街を守る不良アニメ『WIND BREAKER(ウィンドブレイカー)』の第1話である。
「いやマイキーくん、初見なんだからまだキャラの性格とかわかんないでしょ……」
タケミチが呆れたようにツッコミを入れるが、マイキーは「まあ聞けって」とテレビを一時停止した。
「まず、この主人公の桜(さくら)遥ってやつな。喧嘩強そうにツンツンしてるけど……こいつ、女の子に告白されたらキャパオーバーで即死しそうだな」
「即死!?」
「ちょっとお婆ちゃんに『ありがとう』って言われただけで顔真っ赤にしてるんだぞ。女子に『好きです』なんて言われたら、ボンッ!て爆発してチリになるね」
「(……妙な説得力があるな)」
タケミチは心の中でひっそりと同意した。
「次。このノート持ってる金髪の楡井(にれい)。こいつは……『レモンスカッシュ』だ」
「……は?」
ドラケンが眉をひそめる。
「なんだよレモンスカッシュって。飲み物じゃねぇか」
「わかんねぇ。でも、なんかレモンスカッシュなんだよ。シュワシュワしてて、レモンスカッシュの匂いがする。それ以上の意味はねぇ」
「(意味不明すぎる!!)」
マイキーはドラケンのツッコミを無視して、リモコンの再生ボタンと停止ボタンを器用に操りながら解説を続ける。
「で、この眼帯の蘇芳(すおう)隼飛。いつもニコニコしてて優しそうだけど、絶対ヤバい裏の顔がある。笑顔で相手の関節外すタイプだな。スマイリーと同じ匂いがする」
「お、おう……それはなんか合ってそうな気がするわ」とドラケン。
「そんで、このボウフウリンのトップの梅宮(うめみや)。こいつは完全に『オカン』だ。屋上で野菜育ててるし、みんなに飯食わせてるし。東卍でいうところの三ツ谷だな」
「俺は野菜育ててねぇよ!!」
いつの間にか部屋に来ていた三ツ谷がすかさず反論する。
「問題は、オカンの梅宮にずっとくっついてるこの杉下(すぎした)ってやつだ。こいつの梅宮への執着心……完全なる『ヤンデレ』だぞ。梅宮のトマトを勝手に食ったやつは、杉下に地の果てまで追われて殺されるね」
「不良アニメの感想がヤンデレってどういうことっスかマイキーくん!!」
タケミチが頭を抱える中、アニメはライバルチーム『獅子頭連(ししとうれん)』の登場シーンへと進んだ。
「出たな、獅子頭連。このトップの兎耳山(とみやま)ってやつ……トップのくせにチョロチョロしてて、完全に『生意気な赤ちゃん』だな」
「……お前が言うな」
「ケンチン、なんか言った?」
「なんでもねぇよ」
(自分だってお子様ランチの旗で拗ねる生意気な赤ちゃんのくせに……)というドラケンの心の声は、見事にタケミチとシンクロしていた。
「で、こっちの副頭取の十亀(とがめ)。なんかモサッとしてて変なサングラスかけてるけど、俺にはわかる。こいつ、眼鏡外したら絶対イケメンになるやつだ」
「少女マンガの法則!!」
「最後に、この佐孤(さこ)ってやつなんだけど……」
マイキーは画面に映る佐孤の顔をじっと見つめ、テレビのすぐ近くまで寄っていった。
そして、信じられないものを見るような目で振り返った。
「タケミっち。……なんで このアニメに、バレーボールアニメの孤爪研磨(こづめ けんま)が出張してきてるんだ?」
「違うから!! 別の局のアニメだから!! 声も違うし!!」
「いや、絶対研磨だろ。バレーの練習サボって不良やってんのか? クロに怒られるぞ」
「だからキャラが極似してるだけっス!! ジャンルが球技からステゴロに変わっちゃってるから!!」
タケミチの必死の訂正も虚しく、マイキーは完全に納得した顔でうんうんと頷いた。
「いやぁ、不良アニメって奥が深いな! よし、ケンチン! 俺たちも明日から武蔵神社の裏でトマト育てて、レモンスカッシュ飲みながらバレーボールするぞ!」
「お前はもう一回第1話からちゃんと見直せ!!」
こうして、マイキーの『偏見100%のアニメ鑑賞会』は、ドラケンの怒号とともに幕を閉じたのであった。
帳の部屋
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#東京卍會の姫
レイラ
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コメント
1件
マイキーの偏見フィルター強すぎて草www 「レモンスカッシュ」「オカン」「ヤンデレ」「研磨出張」の連続に、タケミチとドラケンのツッコミが追いついてなくて笑ったw 特に「眼鏡外したらイケメン」って十亀に言い切るところ、妙に納得しちゃう自分がいる…。 東卍メンバーで別作品見るっていう企画、めっちゃ好きです!続きも偏見炸裂させてください🌙