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ソラは廊下で1人呟いた
…約束は約束、守らないとだ…
(クソだるい…)
「でも…守らないとだし」
ソラは頭をかきならがら歩いていた
―――食堂―――
食堂からはパンの小麦の匂いと…少し薬の匂いがした
(多分…6番に渡した薬の匂いと…)
「…っぁ…番」
「…」
「…みま…ん」
「君か…」
話しかけたのは6番だった…昨日よりかは血の匂いは薄まっていて、髪は所々白い髪がでていた
(髪染めるのが苦手なのか…だけど今は誰とも話したくない…)
「…す…せん」
「け…日は…がと」
彼はそう言って、俺から離れていった
「あっれれ、虐めてるの?」
「…っち、虐めてねぇよ」
「とゆうか話しかけるな…」
話しかけたのは10番だった
「だって、彼から離れてるし無視してるからさ!」
(血の匂いを嗅ぐと、あの時と…両親のこと思い出す…)
「…血の匂いを感じたくないから離れてるんだ、お前はカラスなのかよ…」
「酷いなぁ、アタシの事は鶴って言って欲しいのに」
「……お前はカラスが似合うよ」
(これだから…人付き合いはしたくないんだよ)
「酷いーねぇねぇ、私の事疑ってる?」
十番は少し悲しそうな顔をしたと思ったら、笑いながら耳元に囁いて言った…目は開いていないのにすごい圧が感じるのは気のせい?
「……」
「無視か、つまんないー」
十番は少し残念そうな顔をして、誰にも聞こえない声で呟いた
「…フェニのところ行こ」ボソ
「……」
10番はつまんない顔したまま去って行った
(フェニ…?誰のことだ…、被験者の1人か)
俺は急いで後ろを振り向いたが、10番の姿はいなかった、まるでさっきのは幻覚のように
「…被験者同士は名前を知ることはできないはずだ」
(…今は考えるのはやめておこ)
俺は薬を能力で無効にさせてから朝食をとった
◇◇◇廊下◇◇◇
「……」
静かでまるで、病院の廊下みたいで…考えたくない
「…静かすぎるだろ」
(まぁ…都合がいい)
ソラは足を止め、薄暗い角を見据えた。
「……こっちだったはず」
重たい空気を切り裂くように、一歩を踏み出した。
―――資料室―――
部屋からは話し合う声が聞こえる…目的の物を得たら離れるだけだ
(…確か、ッチ職員達が近くにいる…)
3人の職員達は話していた
「この研究はどう思うか?」
「いや…時給がよくて最高だよ」
メガネをかけた職員が言った
「もう半分は終わったんだろ、でも何故3ヶ月必要なのかは不明だが」
「んー、知らないな」
「まぁ、きにしないとこ」
クマができた職員が言った
「なんかコーヒーが飲みたいな」
「お前働きすぎなw」
『ハッハッハ!!』
「……」
カランコロン
『ん』
職員達の近くに3個のコーヒー缶が転がって来た
「おー、ラッキーだな」
「ありだがや…」
「…少し怪しいだろ」
「考えすぎだ」
「まぁ、飲もう」
『ゴク』
「ふー美味しいな、疲れが飛ぶ!」
「そうだな」
「目が覚める」
……数分後……
「そういえば報告書は?」
「あ…まだ、嫌な事思い出させるなよ」
(すぐ忘れるだろ…そろそろのはず)
「…ホント意味わ…」バタッ
職員の1人が倒れ始めた
「おい、大丈…」バタッ
「なにご…」バタッ
最後に残った音は複数コーヒー缶のカランという音だった
「…はぁ、簡単に飲むなよ、脳みそまでコーヒーゼリーでできてるのかお前らは」
俺はさっき、コーヒーを能力で反転させて睡眠ができる飲み物にした
(これで外に連絡する手段が手に入る…)
俺はカードキーを盗みとって、周りを少し見た
(後でコピー作るか)
「でもよかったよ…監視カメラがなくて」
ソラはそう言って資料室を出た
◇◇◇廊下◇◇◇
(…とりあえず、ここにある物を使ってコピーを作ることはできた、本物はどこかに落としとこ)
「っあ、ソラ…じゃなくて5番さん?」
「…お前か」
話しかけたのは尋問官【カルディア】だった
「なんだ…職員はそんなに暇なのか」
「いや…そんな訳ではないけど、暇は暇なの…」
「ふーん」
「ところで君はどうしてここにいるの?」
(…ホントの事は言えない)
「散歩だが」
「そっか!」
尋問官【カルディア】は笑顔で返したが、彼女の顔は前髪でよく見えなかった
「…聞いていいか」
「何?」
「なんで前髪で隠してる?」
「ーん、見たくないからかな」
「…何をだ」
「それ以上は本当に無理なの、なんでか2年前から見たくないのか分からないの」
彼女は真剣そうな声でそう言った、何かを思い出したくないかのように
「…そうか」
「私からも聞いていい?」
「…別に」
「君の心の中は常に血の匂いが感じるのは何らかのトラウマなの?」
「…幼い頃に両親は病院で殺人鬼の手によって亡くなった」
今でも覚える…たくさんの悲鳴から両親の叫び声と血の匂いがしっかり記憶にこびりついている
「あ…ごめん」
「あと…」
「まだあるの!?」
「…いや、なんでもない」
「そっか血が嫌いなんだね」
「いや、嫌いではない…苦手の方があってる」
「苦手…好きなのか嫌いなのか微妙だね…」
彼女は少し困った顔をして言った
「最後にいいか」
「何?」
「ここに、参加した理由を聞きたい」
俺は彼女の顔を見ずに言った
「…いいよ」
「私ね、妹がいるの…とってもとっても大事な妹」
「ん」
「だけどね、妹は簡単に治せない病気になったの」
「……」
「悩んでる時に、リーダー【ツギハ】さんに声をかけてもらってこれに参加したらお金を負担すると約束してもらったんです!」
「そうか…」
俺はその話を聞いて…過去の事を思い出した
(失う怖さは俺も知ってる…、あまり深堀はしないどこ)
「気分を害して、悪かった…それじゃあ」
俺は彼女の所から離れた
―――自室―――
部屋には所々に盗聴器があるが、慎重に行動すればいいだけだが今は疲れた…
(職員が忙しい時に、倉庫に行って俺の荷物を会得して外に連絡しよう)
俺はベッドへ倒れ込んで…寝ることにした
……続く