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秋風が校庭を駆け抜け、星ヶ丘中学校は一年に1回の流星祭だ。
ももとエレナ、通称”ずっこけバカ2人組”は、早くも校庭で大暴れ。
「ナオト!こっち見て!うちのクラス、めちゃ可愛くない?」
ももは手作りのポスターを掲げて大ジャンプ。
……うん、まあ頑張ったな」
ナオトは少し困惑。予感はしていたーーこのあと絶対何かやらかす。
エレナもぴょんと飛び跳ね、ももの横で叫ぶ。
「ナオトくん~♪あたし、お化け屋敷担だから手伝ってよ〜♥」
「えぇ……めんどく、……」
ナオトが言う前に、ももが負けじと叫ぶ。
「じゃあ私も入る!絶対入る!」
準備が始まると、校庭は屋台、迷路、射的、綿あめで大混雑。
そして当日
ももとエレナは迷路でまず大転倒。
「きゃああっ!ナオト、助けて!」「自分で起きる!」
ずっこけたももを追いかけるエレナも滑って転がり、ナオトが両手で受け止める。
「もう……何やってんだよ!」ナオトのツッコミも虚しく、二人はまた転がる。
周りのクラスメイトも笑いが止まらない。
流星祭も終盤に近づき、校庭の空気は熱気と笑
い声でむんむんしていた。
「ナオト、今度は射的行くよー!」ももがダッシュで射的の列に並ぶ。エレナも追いかけ、二人そろって前の人にぶつかる。
「わっ!ごめんなさい、ナオトーー!」
ナオトは手で顔を覆いながら、必死に二人を押さえつつ列に割り込む。
やっと順番が来て、ももは狙いを定めるふりをして大げさに構える。
「絶対に当てるから見てて!」
……しかし放った弾はまさかの横に飛び、景品のぬいぐるみが隣の屋台のかき氷に直撃。
「ひゃあっ!」
エレナは大笑いしながら手を叩き、ももも慌て
て飛びのく。
「もも、やっぱり当たってねぇじゃん」
「違うもん!風のせいだもん!」
ナオトはツッコミながら、三人でかき氷まみれになったぬいぐるみを拾うはめになる。
その後、屋台巡りを続けるバカ2人組。とナオト、 ももがわざとエレナの綿あめを取ろうとしてぶつかり、二人ともぐるぐる回転して芝生に転がる。
「ナオト、助けてぇ!」
芝生の上で、土で汚れた2人を見て、先生とナオトは頭を抱えた。
最後は、流星祭恒例の大抽選会。ももとエレナはくじを引く前にお互いの番号を読み間違え、大騒ぎ。
「違う!それ、私の番号!」「えー?でもこれも私の番号じゃん!」
2人揃って転がりながら笑い転げる姿に、校庭は拍手と笑い声でいっぱいになった。
夜になり、校舎の明かりが灯るころ、ずっこけバカ2人組はようやく落ち着き、ナオトと肩を並べて校庭を眺める。
「ふう…..今日も、止まらなかったね」「うん、でも楽しかった!」
二人の笑顔を見ながら、ナオトは小さくため息をついた。
そして満天の星空には、星が流れていた。