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「にしてもここ、見覚えがある」
PーPは口を開いた。
俺たちはまだ子供たちの遊びスペースから抜け出せずにいた。
「行ったことないのに、ここに来た記憶がある」
「…たしかに」
PーPが言ったことがピンと来た。
「普段は子供たちで賑わってるはずの場所なのに」
「それが僕たちだけ。」
謎の既視感と記憶が不気味で仕方なかった。
「あっちに行ってみよう。」
俺が指をさした先には壁で先が見えない曲がり道。
「うん」
PーPの承諾を受け、俺たちは進んだ。
「…ここ、なんか様子おかしくね?」
俺はより重い空気が身体にまとわりつく感覚を覚えた。
「さっきの所と空気が違うね」
それはPーPも感じていたようだ。
「…引き返すか」
無理に危ない方に行く必要は無い。
「そうだ、…」
PーPの言葉が途切れた。
「なにこれ…」
そしてPーPは新たな言葉を発した。
周辺は黒く変色してどこが床なのか壁なのか分からなくなる。
そして視界の先にギョロっとした不気味な目玉が浮かび上がった。
「目玉…??」
PーPは声を漏らしていた。
「こっちにもッ…!」
俺は後ろを振り返り叫んだ。
いきなりの光景に戸惑っていると後ろから声が聞こえる
「キヨくん後ろッッッ!!!!」
そのPーPの声と共に体が倒れる。
PーPにつき飛ばされたんだ。
「ッッ!!!!!」
俺はそれがなんなのか一瞬理解することができなかった。
壁から巨大な手が出てきてPーPは暗闇に引き込まれていた。
その巨大な手からPーPは俺を守ってくれたんだと咄嗟に理解した。
「PーPッッ!!!!!」
俺は立ち上がりPーPを助けようとした。
「ッッ…」
「くそッ、、」
間に合わなかった。
PーPは最後、俺に笑顔を見せてくれた。
これで最後になるのか?いや。
「待ってろPーP!!!!俺は絶対お前を助ける!!!!!」
俺はPーPが引きずり込まれた壁に向かって叫んだ。
しばらく壁を睨み、PーPを助けるべく暗闇を歩き出した。
どこが壁で床かも分からない。
もしかしたら床も壁もないのかもしれない。
「…ん?」
周りに注意しながら歩いているととある物に目がついた。
「なんこれ、、」
宙に浮いているのか壁についているのか分からない看板に視点を合わせた。
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「…気持ち悪」
同じような文字化けした文字が並んでいた。
それを無視し歩き続ける。
すると辺りの暗闇がすーっと消えてゆき、元の子供の遊びスペースに戻って行った。
「あ、キヨくん。」
奥から手を振り走ってきたのは紛れもないPーPだった。
「PーP!!」
俺は自分でもわかるくらいに顔が明るくなった。
「もー探したよ。」
PーPは笑いながら俺に言う。
「それは俺のセリフだわ」
あーこれだ。このふざけ合う感じ。
懐かしかった。
「守ってくれてありがとな」
まず先にこのことについて感謝をしたかった。
「うん、お礼だよ。」
「僕を助けてくれたお礼。」
俺は頷く。
「そういえばキヨくんは平気だった?」
「お陰様で」
「よかったよ。」
PーPの笑顔は変わらず癒される。
「ここってさ、どうやったら出られると思う?」
意味があるのか分からない質問をした。
「…出られないかも。」
“一緒に出よう”と話していたPーPから信じられない言葉が出てきた。
「諦めんの?」
俺は少し失望してしまった。
「だってさ、コノも言ってたじゃん。」
「ここから出れないって。」
コノ?誰だそれ。
ただ、“ここから出られない。”というセリフには聞き覚えがあった。
あのテレビ頭だ。
「…コノって?」
俺はPーPに聞いた。
「…ん、あれ。僕そんなこと言ってた?」
「ごめん、まだ記憶が変なのかも。」
俺は納得した。
PーPを疑いたくなかったから。
「無理すんなよ」
「ありがとう。」
少し沈黙が続いた。
「…行こ、キヨくん。」
その沈黙を破ったのはPーPだった。
そして俺の前を歩いた。
ここで少し違和感が生まれる。
しばらく歩いていた。
どうやら道に迷ってるみたいだ。
「…なあ、PーP…」
「ん?」
「…いや、なんでもない」
やっぱ俺の勘違いか。
どこから見ても普通のPーPだ。
俺は何気ない会話を投げかけてみた。
「…もし帰ったらさ、また一緒にゲーム実況しような」
「うん、もちろんだよ。」
PーPは笑っていた。
「“ホラーゲーム”とかさ。」
「ホラーゲームいいねー。 」
「僕“ホラー好きだから嬉しい”。」
確信がついてた。
方向感覚が鈍い。
PーPはもっと方向感覚が優れているはずだ
そして口調が平坦。
PーPはもっと明るく話すはずだ。
例えどんな場所にいても。
それにテレビ頭の名前も知っていた。
おかしい。どうやって知ったんだ。
最後に決定的な発言。
“ホラーが好き”
あいつはホラーが大の苦手だ。
こいつはPーPじゃない。偽物だ。
俺はPーPの目をじっと見つめた。
「 ど、どうしたの?黙り込んじゃって。」
「ほら、行こうよ、キヨくん。」
偽物は俺の手を掴んできた。
俺はその手を振り払う
「え…、キヨくん…??笑」
俺は感情を押し殺して、静かな低い声で言った。
「これ以上PーPの真似をするな。」
「は…、え、何言ってるのキ… 」
俺は偽物に名前を呼ばれる前に言葉を重ねた。
「お前、PーPじゃないだろ」
「…どうして?」
PーP、いや、偽物の目付きが変わった。
鋭くなり、目の光はすうっと消えた。
「方向感覚が鈍い、口調が平坦、テレビ頭の名前を知ってる、そして…」
「ホラーが好きと言った。」
「危うく騙されるところだった。」
俺の言い分を聞いた偽物は口角だけをあげた。
「…っはは、おしかったのに。」
「…なんでこんなことをした」
「PーPはどこだッッ!!!!!!!」
俺は声を荒らげた。
「私は君の精神を崩壊しようとした。」
「…だが、できなかったようだね。」
「…ざけんな」
俺がそう吐き捨てた瞬間、 偽物は一瞬だけ、ほんの一瞬だけ困ったように笑った。
「君、本当に厄介なようだね」
次の瞬間、 視界がぐにゃりと歪んだ。
「……ッ?」
目の前にいたはずの“PーP”の姿が、
ノイズみたいに崩れていく。
崩れるPーPは偽物のはずなのに、今目の前で本当にPーPが消えるような感覚に陥った。
「待てッ……!!」
伸ばした手は、何も掴めなかった。
胸の奥が、きゅっと締め付けられた。
偽物だと分かっていたはずなのに。
「…やめろ…ッ」
声が震える。
ここにいればいるほど、
“失った感覚”だけが、何度も繰り返され
る。
__永遠に。