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「キヨくん後ろッッッ!!!!」
僕はキヨくんが謎の巨大な手に連れていかれそうになるのを見た。
咄嗟の判断で僕はキヨくんを突き飛ばし、
代わりになった。
「ッッ!!!!!」
キヨくんの驚いた顔。
あまりこういう感情を表情に出さない人だから、新鮮だった。
「PーPッッ!!!!!」
キヨくんが僕の名前を呼ぶ声が聞こえた
「…キヨくん…、」
それに返事がしたかった。
あぁ、死ぬのかな…僕。
壁に吸い込まれると共に意識が遠のいていった。
でも
「待ってろPーP!!!!俺はお前を絶対助ける!!!!!!」
この叫びは、意識が朦朧としてる僕の耳にはっきりと入った。
「ッッ…!!!!!」
「まってる…から、」
僕は呟いた。
「…はっ…」
「ここは…」
目が覚めた。
…そうだ、僕は巨大な手で壁の中に連れ去られたんだ。
立ち上がろうとするとジャラッと言う音が空間に響いた。
咄嗟に手元を見る。
「手錠…?」
そう。僕の手には手錠がしてあった。
「こんばんは」
「っ…」
見覚えのない人に声をかけられ、その人を睨んでしまう。
「そんな怖い顔しないでよ」
「ねぇ、気分はどう?」
「…気分?」
「私は最高にいい気分だよ」
「だって、こんな子がここにいるんだから」
なんなんだこの人は。気持ち悪い。
「ねぇ、君って普段はどんなふうに友達と接してるの?」
「え…?」
意味があるのか、わけがわからない質問を投げかけてきた。
「もう1人の子、“キヨ”って名前だよね。」
「キヨくんって呼んでるよね?いつもそう?」
僕は答えようとするたび、少しずつ普段の自分の癖や口癖が出てしまう。
「…君、普段は笑うときどうなる? 」
「…なんでそんなこと聞くんだ。」
「ああ、なるほど。怒るときはこんな顔するんだ」
この人は僕の行動や反応から、キヨくん
との関係の詳細を次々に言い当てる。
「この言い方、キヨくんにしか使わないでしょ」
「やめろ…」
「あぁ、でも面白いなぁ。全部見抜いちゃった」
僕は必死に抵抗するが、この人の観察力には負けてしまう。
「キヨくんのこと、どう思ってる?」
「……ッ」
「言わないのか。そうだよね。」
少し睨み合ってこの人は立ち上がった。
「…よし、じゃあ、行ってくるね。」
どこに行くんだ、と聞こうとしたが察してしまった。
キヨくんの元へ行くつもりだ。
「…ま、まてッ!!!!」
その言葉は届かず、その人は暗闇に消えてしまった。