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「っ……ん、く……」
唇が離れたとき、ひまなつは浅く息を吐いた。いるまの手が、頬に添えられている。熱い視線が、まっすぐ自分を見ていた。
「……やっぱ、おまえ……酔ってるだけだよ、な」
弱々しくつぶやくひまなつに、いるまは首を横に振った。
「酔ってたら、おまえの顔なんて見られない。ちゃんと見えてる。……おまえの、全部」
「……!」
襟元に指がかかる。ボタンがひとつ、またひとつと外されていくたび、ひまなつの心臓は跳ねた。
「や、待っ……、まじで……やんの、かよ」
「嫌なら止めろよ。ちゃんと言え」
低く囁かれ、ぐっと喉が鳴る。
(嫌なわけ、ない。けど……なんでこんなに、見透かされてんだ)
言葉は出ない。ひまなつは、目をそらしたまま、何も言わなかった。
「……了解」
次の瞬間、首筋を這う舌の感触。肌を舐める熱に、背筋がゾクリと震える。
「……あっ……! そこ、……舐めん、な……っ」
「敏感なの、知らなかった。いい反応だな、なつ」
シャツが完全に脱がされ、いるまの指が胸元をなぞる。ちいさく、やさしく撫でられて、ひまなつは息を詰めた。
「欲しがってるクセに、意地張ってんじゃねぇよ」
「は、あ……っ、バカ、変態……!」
唇が乳首を捉える。湿った音が静かな部屋に響いて、ひまなつは思わず腰を浮かせた。
「っ……ぁ、ん……や、やば……」
「こっちも、ちゃんと反応してんじゃん」
ズボンの上からそっと撫でられる。その一点だけが、熱を帯び、ひまなつの呼吸が浅くなる。
「うそ……だろ……っ、俺、こんな……っ」
「知らなかった? おまえ、エロいよ」
笑いながらいるまが囁き、ひまなつは顔を覆った。
「も、やだ……こんなの、……バカ」
「かわいい。ずっとこうしたかった。おまえのこと、触れて、聞きたかった……」
「……いるま……」
名前を呼ぶ声が震えた。いるまは優しく、その唇をふたたび塞いだ。乱れた吐息も、熱を帯びた肌も、夜の中で重なり合っていった。