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なんか映画とか過去に作ってました?レベルにすごいわぁ、
初見コメント失礼します!ここまで拝見させて頂きました!一人一人の感情などがこっちにまで伝わってきます。これからも頑張ってください️✨!
葛葉「…死因は、刺傷か?」
叶「いや、毒の可能性も有る。武器庫見に行ってみる?痕跡有るかな、」
葛葉「…いや、先に死体全部調べとこーぜ?」
叶「了解。」
皆各自調べたい場所へと向かったみたいだ。俺達の死体の捜査の会話は淡々と進んだ。始めは死体に触れる事にも抵抗があったが、そんなことしてる暇はないと思い始めたからだろう。
勇気ちひろのこの死体。まず目立っている傷と言うと腹部だろうか、左側の横腹に大きな傷が見える。そこから血が全体に拡がって、服は紅く染まっている。…あと、目元と頬に泣いた跡があるな。辛かったろう痛かったろう、守ってやれなくてごめん。そんな事を静かに考えた。
叶「…あ、葛葉。勇気さんの手見て、」
ふと聞こえたその声で、彼女の手を見た。するとその手は、赤くなっていた。それは血の影響とかではなく、なんというか…物を叩いたりした後に出来るタイプの奴? 犯人と戦ったのか?それとも何かを叩いた? …まぁ、覚えておこう。
あと何か有るか?そう考えて、死体へと目を凝らす。すると、鎖骨から首にかけて少し赤くなった部分を見つけた。これもまた血ではなく、手と同様の物だ。絞殺だった?…いや、鎖骨を中心に付いているから死にはしない筈。…これも、覚えておこう。
三枝「あのー、叶さん。ちょっと良いです?」
叶「ん?どしたの明那ー。」
三枝「さっきから気になってたんですけど、上着どうしたの?着てないけど。」
叶「あー…これはねぇ…、」
じっと死体と睨めっこしていると、明那と叶の会話が耳に入った。…そして、叶の”御前が説明しろよ”と言わんばかりの視線。どうやら疑われているみたいだ。まぁ、汚したの俺だし俺が説明すっかぁ。
葛葉「俺が汚したんだよ、叶の上着。」
三枝「え”っ、ずはそんな趣味あったの…!?」
葛葉「違うわァ!!あのなぁ?昨日叶が俺の部屋に来て、話してる時に___。」
しっかりと1から説明した結果、納得はしてくれたみたいだ。叶も頷いてたから信頼出来たんだろう。そしてその後、明那は腹減ったから食堂でなんか食べてくるーとか言って部屋を去っていった。割と図太いよな彼奴。
去り際に見えた彼の表情は曇っていたが、何処か安堵しているようにも見えた。きっと叶の事を疑いたくなかったんだろう、疑う理由が無くなって安心している…という感じか。まぁ、彼奴叶の事大好きだからそういう事もあんだろうな。
長尾「やっほ〜葛葉さぁん、調べて来ましたよぉ?」
葛葉「お、流石〜早いねぇ〜?」
入れ替わる形で話し掛けてきたのは長尾。彼はこの部屋全体の探索をお願いしていた相手だ。そう言うと彼は、次々と情報共有をしてくれた。
まずはこの部屋の血の道。死体のあるこの位置から扉までの約半分の距離に血が滴っていたとの事。じゃあ刺されたのは部屋に入ってすぐと言うよりは、少し奥に入ったくらいの場所だったという事だ。
次は扉の傷。一応木製だったんだが、内側の扉の木が少し凹んでいたんだと。それは数箇所あって、所々引っ掻き傷のようなものも見えたらしい。
あとは紙切れが1つ落ちていた、との事。ちぎられたようにくしゃくしゃになっていたから、きっと何処かに同じような紙切れがある筈、と考察しているらしい。
…流石というか、慣れてるな。こういう状況で此奴は頼れるかもしれない、生き延びて欲しい所だ。
長尾「そんな感じっすねー、じゃ、一旦此処離れますー?」
叶「そうだね、ふわっちとも合流したいし、凶器の特定もしなきゃ。」
葛葉「行くかぁ武器庫!」
後頭部を支えるように両手を組みながら、長尾、俺、叶の順でこの部屋を去った。叶はちーさんに向かって手を合わせていたみたいだ。
…そう言えば、死体が見つかった時、アナウンスの奴も予想外とか言ってたよな。本当はどんな風にゲームを進めていくつもりだったんだろう。いや、それよりまずは…すぐにその行動に移った奴の頭が可笑しいって事だな。
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今日の証拠、アリバイ
勇気ちひろの死体⤵
左腹に大きな切り傷。 涙の痕跡。 何かを叩いたような手の赤み。
鎖骨から首にかけての赤み。
部屋の証拠⤵
死体の位置から扉までの半分、血の道が出来ている。
扉の内側が凹んでいる、爪で引っ掻いたような傷。
ちぎられてくしゃくしゃの小さな紙切れが1つ。
9時20分、現場を離れた。