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既にできている作品だからか、どんどん更新したくなっちゃいます笑
本編 👇🏻
元貴 side …
「元貴!!!待って!!!!」
振り返ると若井が傘をさして走ってきていた。なんで?若井の家の方向は逆方向のはず。そんなことを考えていると若井が俺の目の前で立ち止まる。
「元貴傘は?」
「忘れたから…」
すると若井は、俺を傘の下に入れてきた。さっきまで頭や肩を叩いていた水滴が、ふわっと無くなる。彼の方を見上げると、彼は少し頬を赤らめ真剣な眼差しで俺を見つめる。
「家まで送ってくよ」
「え?」
ありがたいけど、正直不安だ。さっきあんな酷いことをしてしまったし、とにかく気まづくなってしまうと思ったからだ。だが断るのも申し訳ないと思い、若井の言葉に甘えることにする。
「…ありがと///」
雨の音で聞こえないはずの心臓の音がうるさい。若井に聞こえてたらと思うと更に心臓の音が大きくなる。
信号が青になり進み出す。家からスタジオは歩いて10分程度なのに、今は遠く感じる。俺たちは今、ひとつの傘の下に2人で入っている。言わいる相合傘。恥ずかしいが、嬉しい気持ちもある。何を話したらいいのか分からず黙っていると、若井が口を開いた。
「今日…なんかごめん」
朝の話だろう。若井は何も悪くないのに。全部俺のせいなのに。若井の言葉で胸の奥がチクチク痛む。
若井は悪くないよ。大丈夫。それだけの言葉なのに、何故か喉の奥が詰まって声が出ない。唯一出来たのは首を左右に振ることだけだった。若井は俺の様子を見て察したのか、それ以上話すことはなかった。こんなことでしか思いを伝えられない自分が哀れだ。俺は下を向き、ただ彼の傘の下にいることしか出来なかった。すると突然腰に暖かく心地よい熱を感じた。最初はなんなのかよく分からなかったが、少し考えたあと答えが出た。若井の腕だ。若井が俺の腰に腕を回したのだった。その事実に体の熱が上がっていくのが分かった。若井の方を見ると、彼は耳まで真っ赤にしていた。そんな姿が愛おしく、俺は彼を直視出来なかった。
いつの間にか俺の家の前まで来ていた。もう着いたんだ。長いようで短い一時だった。家に帰りたくないという考えが頭をよぎる。ずっと若井の傍にいたい。そんなことを考え、重い扉を開けようとすると後から若井が話す。
「…じゃあまた明日!」
若井が後ろを向き、帰ろうとした時だった。
「待って!!!!」
俺は去り行く若井の背中を見て、咄嗟に若井の腕を掴んだ。まだ一緒にいたい。
「…家、上がってきなよ///」
ここからどんな展開が待っているのでしょうか…!!!
あとお知らせなんですけど、このシリーズが完結したら新しいシリーズを更新することにしました🙌🏻✨
新シリーズについても、 これからお話していくので楽しみにしていてください!