千冬の全てが今解き明かされる。いまいち、今でも頭が困惑している。いても立ってもいられなくて、
勢いよく玄関を飛び出した。
今思えば確かに 、何かトラウマに怯えているようなこともあったし、そんなのなかったはずなのに何故か言っていた時だってあった。
『言えば、武道がしてきたことが全部無駄になる。』
そういうことだったんだね。千冬。
簡単に説明はされて、彼の家が見えるくらいまで来た時に分かった。
お前は、色んな世界を見てきちゃったんだね。
どれも印象に残るところばかりに。どうして、死に慣例しているかは分からないが、彼が今まで見てきたのはそういうことだ。
印象に残ろところばかり ??
もしかして千冬は、色んな世界線の自分と記憶を共有してる?
そんなことありえない。いいや、違う。ありえないなんて言い出したら、俺が今までしてきたことだって有り得るはずがないんだ。
色んな世界線の千冬の記憶の自分の記憶と印象に残ったものが、
共有されているのではないか 。
正解なんて分からない。きっと本人に言っても分かるはずない。これは、誰にも正解なんて分からない事件のようなものなんだ。
犯人も、犠牲者も、誰も分からない問題なんだ。答えがない問いほど、天才の頭を抱え込ませるものは無い。
誰もが分からない問い。
玄関のドアノブを引くと、彼の聞き慣れた泣き声は聞こえてこず、そっと入り、「お邪魔します」と声を縮めて言うと俺の存在に気がついた一虎くんが「静かに来いよ。」とだけいい、リビングでは無い方の部屋に俺を連れていった。
「悪いな。今さっき運んでよ。すぐ来ると思ってソファーに寝かせたんだ。こっちでもいいよな?」
彼に返答を返し、背中を追った。
「まぁ、電話でも言った通り、ちふ((」
「千冬は、」
彼の言葉を遮り、自分の意見を彼に主張した。
「千冬は、色んな世界線の自分の印象に残った記憶を共有してるんじゃないかと思って、」
彼の顔を見れば、俺の言っている意味が分かってないと彼の表情でわかった。何言ってるんだこいつはというように顔に書いてあった。
「千冬が起きるまでここにいさせてくれませんか?千冬と、、本人と話したいんです。」
彼はゆっくりと頷き、俺にお茶を用意した。
「つまりお前が言いたいことってどういうことか教えてくれるか?」
俺は彼にわかりやすいように具体例を入れたり、噛み砕いたりして理解して貰えるように伝えた。
するとようやく分かったのか、2回ほど頷き、
「もうあいつを救うことは出来ねぇのかな、」
と呟いた。救えていたならもう救っているだろうと心の中で呟き、彼の前に、表に出さないように、心の中に見つからないように深くにしまった。
しばらくして、彼が起きてきたのか、リビングのドアが開いた。
「たけみっち、?」と俺の名前を確認して、俺は彼に微笑んだ。すると彼は俯き、俺に謝罪をした。
「ごめん。俺、言えなかった、言うつもりもなかった、こんな事お前を貶してしまう気がして、
申し訳なくて、とてもじゃないけど、
簡単にいえなかった、」
そんなことを考えていて、今まで責められてまで言わずに俺を傷つけないように言わなかったということなのか。
「んな事考えなくていいんだよ、
なぁ、答え合わせしてくれないか?
お前は、
色んな世界線の千冬の記憶の自分の記憶と印象に残ったものが、
共有されてるんじゃない? 」
「俺にも分からない、ふと頭によぎるだけだから、」
俺らの会話を聞いている一虎くんの目に涙が浮かばれていた。何故かは俺には分かった。
千冬がやっと話してくれたこと、千冬が本音を言ってくれたことだと思う。
なんだか心の重りから解けたみたいに軽くなった。
俺はそうなのに、千冬はどうやらそぅじゃないんだね。目が、苦しそうな目をしているから。
千冬は、まだ、自由にはなれないんだよね、
何とか救ってやりたいのに。
俺達にはどうすることもできないのは、どうして。
「なぁ、今度さ、フラワーパークいかね、?笑」
嬉しいはずなのに、何も言えない場を和ませようとしたのか、一虎くんが声のトーンを上げ、うきうきとした口調で提案した。
「どうして急に?」
「花見たら、少しは楽になれるんじゃねぇかなって、
気分転換に。」
「そうですね、行きましょう!!」
「行ってらっしゃい。」
「千冬も行くんだよ!?!?」
「えぇ、わかった 、笑」
行かなきゃ良かった 。
コメント
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ちふちゃん、、、可哀想に、、、
やべぇ!ちふゆん可哀想… 続きが楽しみ!!(ゆっくりで大丈夫です!)