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良仔が皿洗いのアルバイトをしているレストランは「エルテ」と言った。オーナー夫人で有るところのママが、エルテの絵画が好きで名付けた。
予約席にしてあった奥のコーナーで、良仔と水石 陽二は夜のディナーコースを食していた。良仔がビーフシチューが好きだと言ったので、プチサラダ、コーヒー、アイスクリームのセットで有る。互いをママが紹介したが、名前だけで余計な事は言わなかった。「良仔さんは、エンパイアにいられませんか?いや、不躾ですみません。この間、接待があって似たような女性を見かけたもので…」「良くわかりましたね!?私経理もやっていて、あんまりママからもお客様からもお呼びがかからないもので…」「そうですか。いや、其れは良いことです。」何が良いのかわからなかったが、マスコミで話題の事などで話題を持たせた。その当たりは唯一この世界で役に立った話術で有る。職業の内容は触れない。家族の事も聞かないのは、話題は其れしか無い。
「ごちそう様でした。又いらして下さい。」彼女は店の営業になるようにそう言って彼を送り出した。ママは「有り難う。実はねえ、お嫁さん探してるんですって。口が堅い人が良いんだけど、自分では探せ無いからって。このお店には1年前位から見えてるのよ。あなたは余計な事は言わないどころか、黙々と働いてたから…」「そうですか…でもあたし決まった就職をしている訳でも無いし。」「それは別にいいんですって。兎に角気に入られたみたいだから頑張って!!」どう頑張るのかわからないが、彼がエンパイアに来ていたとなると、マネージャーに気をつけなきゃと思った。先ず朱未にメールをした。