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「歳三どうしたの?」
「お前の腕前は理解している。だが足を引っ張るなよ。」
「わかってるよ。役に立てるように頑張る」
「それでだ、最近総司の体調はどうだ?」
「知ってたの?前に熱が出てたけれど、すぐ下がって、咳だけが完治しない感じ」
「そうか。わかった。」
体調を確認しようと総司の部屋に行った。
すると総司はいなかった。いない時は大体子供達と遊んでいる。総司本当に子供が好きだね。外で遊んでいるって事は元気だね。と思い、私は夕餉の支度前、京都に所持する物を出しに蔵へ向かった。
物を出している時、後ろから足音がした。ここの蔵は試衛館から少し離れ裏にある為あまり人が来る事はないはず、私は不審に思い近くにあった刀を手に取りゆっくり後ろを振り向きながら刀を抜いた。
蔵の中は真っ暗で顔がはっきりと見えない。
「誰!来ないで!」と言いながら刀を振り下ろした。
一瞬の出来事で鉄が擦れ合う音がした。
(カキン カン カン)
私の刀は折れてしまった。
すると目が慣れてきたのか顔がうっすら見えてきた。
「遥、動かないでね。動いたら斬れるよ」
総司だった。凄くドキドキして、涙が溢れそうだった。総司の刀は私の右横の首に当たっていた。動いたら一瞬で斬れる。怖かった。
「ね?わかった?怖いでしょ?」
「どうしてこんな事をするの」
「近藤さんから聞いた。遥も京都に行くって。
ダメだよ?こーゆー事があるかもしれない。絶対危険な場所に連れて行けない」
「私も役に立ちたいと思って。私も小さい頃から練習してきた。」
「今の状況でも、それを言えるの?言えないでしょ?
京都には行かないって約束して」
「はい。」
私は怖くなり行かない事を総司と約束をし、勇に話に行く事を約束した。総司は刀を直して、涙が溢れ出している私を見て抱きしめてくれた。
「怖かったよね。ごめんね。でも、こうでもしないと、行かないって言ってくれないでしょ?」
「総司気をつけてね?身体が辛くなったら休んでね?」
総司の優しい言葉に安心し、時は流れ2月、試衛館から8名京都へ向かう日が来た。