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ネオンが瞬く街の隙間で、君はふっと現れる。
まるで最初からそこにいたみたいに自然なのに、触れようとすると、するりと逃げてしまう。黒いリボンみたいな夜の中、
君のシルエットだけがやけに鮮明で、
視線を奪われたまま、僕は動けなくなる。
「ねえ、追いかけてきてよ」
そう言われた気がして、足を踏み出した瞬間、
君はもう一歩先へ。
近づいたと思えば遠ざかる、
その距離に振り回されながら、
気づけば僕は、君のルールの中にいた。
笑っているのに、本音は見せない。
優しさも嘘も、全部混ざっていて、
どこまでが本当なのか分からない。
それでもいいと思ってしまうのは、
君があまりにも綺麗だからか、
それとも、この夜が甘すぎるからか。
捕まえたと思ったその瞬間、
君はまた消えてしまうだろう。
でもきっと、何度でも探す。
この街のどこかで、また君が笑うなら。
かいら
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