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02.天使と仲間
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「やっほー、アル」
眩しいくらい真っ白な白衣を着たアル。難しそうな恐らく薬学の本と不規則に色を変える液体が入っているメスシリンダーを持っている。僕が呼びかけてすぐに気付き、メスシリンダーをスタンドにおいて顔だけ振り向いてこちらを見た。
「おや、ファヌエル。巡回ですか?…恐らく、レリエルに言われて。」
倒置法で見透かしてくるアル。彼の名はアルマロス。戦闘や見回りに行く際に、悪魔の魔術を無効化する護符をくれる。なかなかに強過ぎるが生成に時間がかかるらしい。
能天使のアルは所属する“研究”部門では上司。どこかの天使と違って気楽に話しかけられるし、気楽に返してくれる。どこかの誰かさんとは大違いだ。
「護符ちょーだい…このまま行ったら僕多分粉砕だから…」
「護符があっても粉砕でしょう。あなたの為により強度の強い護符を開発している途中ですよ。」
即答。そうだ。僕は弱い。
大天使のくせに意思のない天使と並ぶくらいには弱い。戦闘部での僕のあだ名は足手纏い。加えて馬鹿という性能だ。清々しいくらいに役立たずなんだ。
「痛いとこ突くなぁ。肉壁なりに頑張ってるんだけどな…」
天使の癖に。言ったら終わりかもしれないが、天使にも苦労はあるのだ。仕方ない。
「アルの護符がなかったら今頃死んでるし、ありがとうね。強化版の開発も…ありがと。いっぱい迷惑かけるけど…ごめんね。」
それだけ言って、できるだけアルの顔は見ずに部屋を出た。
これ以上迷惑をかけたくないから、研究部門に入って戦場に出る数を減らしたし、もっと強くなろうと画策しているところだ。
レリは強い。権天使の枠に収まらず、熾天使の七柱にも買われているくらい強い。アルも強い。対悪魔の奇襲以外の戦闘ならアルは無双できる。
でも僕はレリでもアルでもない。だから僕は自分なりの戦い方をするつもりだ。
「迷惑…か。」
「迷惑なんてどうでもいいんですよ。
ただ君は弱い。僕は君に死んで欲しくないだけだ。そのために護符を作っている」
「あなたもそうでしょう…?」
𝐍𝐞𝐱𝐭…天使と闘い
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能天使アルマロス
防護の天使
職務:護符作成・研究・戦闘後方支援
守護:なし(もしくは天使達)
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