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03.天使と闘い
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「…今日は雨は降らなさそうだな〜…」
適当なことをぼやきながら空を見上げる。厳重な扉、門を全て開けたら外に出ることが出来る。
無駄に重い短刀。無駄に重装備な戦闘服。そして、この城。天使達が棲む城。全てがとても厳重に、外からの干渉を拒むかのようにそびえ立っている。
この厳重な装備の全ては悪魔による干渉を防ぐもの。僕達戦闘や見回りに行く天使は悪魔からの影響を受けやすい。邪悪が体に染み付くと、僕達は変貌を遂げてしまう。
堕天。それは避けなければならないもの。それは羽と光輪を捨てる行為。
「おっ!いた!ファヌ!ふてくされてるな!行くぞ!」
こいつは権天使メルキゼデク。僕と一緒に見回りをしている天使。マイペースだがレリと同じ権天使で僕よりかはずっと強い。
「東の崖で悪魔が出た、早く行くぞ」
はいはい、と笑いながらメルに着いて行った
「居ないね…。」
閑散とした崖が沈黙を物語っている。崖の下は見えず、悪魔の巣窟だと推測されている。木枯らしが吹き荒れ、風の悲鳴が鳴り響く。
「メル、出た悪魔の情報は?」
メルが持っていたバインダーに目を遣った。
「黒と青の悪魔…両翼、ツノはヒツジだ」
その言葉を訊いた。
「ダメだメル!!!!」
言い終わるのが先か否か
ズドォン!
鼓膜を叩く破壊音。
「あ、踏んでた?ごめんごめ〜ん!」
軽やかな声と皮肉混じりの微笑み。左肩甲骨あたりが無くなっているメル。肋、血管、臓器の一部に至るまで晒け出されていた。心臓部分には穴が開き、そこを貫く黒いブーツ。
不可視の悪魔。
ソロモン七十二柱の二十六番目。相手の視覚を操ることが出来る両翼の悪魔。
「メル…ッ!」
帯刀を腰から抜きながら叫ぶ。ピクリとも動かないメルの肩や腹から血が流れ出ていた。ソロモンの悪魔なんか僕みたいな大天使如きが闘っていい悪魔じゃない。権天使、能天使でさえ苦戦するほどの強者だっている。
「ダメだよ、目離しちゃ」
後頭部を一蹴。視界が歪んで、回って、縮んで、一回転。見ていなかったんじゃない。見えなかったんだ。バウルの魔術で。
受け身を綺麗に取って再びバウルの方を向いた。まだ視界は歪んでいる。脳みそが口から出てきそうな感覚。少しでも動いたら五臓六腑がはち切れる。そんな感じがする
「獅子とか炎…ましてや剣になんか勝てるわけないし、権天使一個ずつ消して行った方がマシだよね、うん、そうしよう」
独り言を言いながらゆっくりと近づいてくるバウル。
「希望なんか持って何になるんだろうね?」
振り上げられる刀剣。
𝐍𝐞𝐱𝐭…天使と偉大なる
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ソロモン二十六番バウル
不可視の悪魔
引率:二十三の軍団
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