細雨によって散りばめられた、車窓を飾るスパンコール。
点滅する廃病、疾走するサイレン、立ち並ぶ木々、郊外に潜む口外、密告者の告げ。
全ての彩を、全ての型を、彩り、象る。例え其れが目に見えない物だとしても、全て映すの。鬱陶しいくらいに。
私の心情も、映されるのかな?何時しか見えなくなったあの頃も、映し出される?如何でも良い思案に老けていたら、何も無い駐車場、車を囚う白線が、妙に寂しそう。ぱたりとドアを閉めて気付いたの。輝かしいスパンコールだと思っていた物は、ただの雨粒だったと。こんな雨粒でも、様々な彩りを見せるのに、私は何も無い。そう思い、臨場感漂う心にいかりを沈めて、意気込む。
頑張って…見ようかな。…明日から。
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