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side💚




🩷「阿部ちゃん、まだ帰んないの?」




佐久間の声が、静まり返った楽屋に響いた。




💚「…ん?あぁ、もうちょっと資料まとめてから。」




俺はパソコンを開いたまま、手を止めることなく答えた。




ツアーの打ち合わせが続き、俺はスケジュール管理やパフォーマンスの細かい調整に追われていた。




🩷「えー、もう休めばいいのに。疲れるでしょ?」




佐久間は俺の隣に座り込み、覗き込むように顔を近づけてきた。




💚「ちょっ、近いって。」




🩷「別にいいじゃん。俺と阿部ちゃんの仲なんだから。」




💚「いや、”俺と佐久間の仲”って…何?」




俺は思わずツッコミを入れながら、ドキッとする自分に気づいてしまった。




🩷「だって、俺らずっと一緒だし、シンメじゃん?阿部ちゃんが何考えてるか、だいたい分かるし!」




💚「…ほんとに?」




🩷「うん!」




自信満々に笑う佐久間を見て、俺は困ったように笑うしかなかった。




💚「じゃあ、今俺が何考えてるか分かる?」




🩷「え?…えっと…。」




佐久間はしばらく考え込んでから、ニヤリと笑って俺の肩に頭を乗せた。




🩷「阿部ちゃん、俺のこと好き?」




💚「っ…!」




突然の言葉に、俺の心臓が跳ね上がる。




💚「な、何言ってんの!?」




耳元で急に言われたものだからおれは動揺していた。




🩷「えー?当たった?」




💚「違うから!!」




慌てて否定するが、耳まで熱くなっているのが自分でも分かった。




🩷「嘘つけ~!阿部ちゃん、顔真っ赤!」




💚「佐久間が変なこと言うからじゃん!」




🩷「へへっ。でもさ、俺、本気で聞いてるんだけど?」




佐久間は冗談のように笑いながら、でもどこか真剣な目をしていた。




🩷「阿部ちゃんはさ、俺のことどう思ってる?」




冗談みたいに聞こえたけど、その瞳の奥には本気の色が宿っている気がした。




💚「…佐久間は、大事なメンバーだよ。」




そう答えるのが精一杯だった。




佐久間の表情が、ほんの一瞬だけ曇った気がする。




でも、すぐにまたいつもの笑顔に戻る。




🩷「そっか!ま、そうだよね!」




💚「…佐久間は、俺のことどう思ってるんの?」




思わず聞き返すと、佐久間は少し驚いたような顔をした。




でも、すぐにふわっと笑う。




🩷「んー、それは阿部ちゃん次第かな?」




💚「…は?」




🩷「俺が何考えてるか、阿部ちゃんも当ててみて?」




そう言うと、佐久間は軽くウインクをして立ち上がった。




🩷「じゃ、また明日ね~!」




💚「え、ちょっ…」




俺はその場に取り残され、ぼんやりと佐久間の背中を見送った。




──俺次第?どういう意味だよ…。




分かってる。




分かってるけど、今はまだ答えを出したくなかった。

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