呪術廻戦 五条悟 様の夢小説
⚠自己満夢小説
⚠悲しい
⚠夢主ほぼ残像
⚠雰囲気重視
⚠夢主五条と同期設定
⚠付き合ってない
⚠五条の片思い?
⚠短い
上記が大丈夫な方だけお進み下さい𓂃🎇
「わあ、すごい人だね!」
浴衣を着た彼女が俺を振り返る。
パッと花が咲いたような顔がとても可愛かった。
空がオレンジから群青色の狭間に染まる中、人で賑わう神社は俺の心を浮つかせた。
藤色に朝顔が咲いた浴衣に、同じく朝顔の髪飾り。
夏祭りに誘った時に「浴衣着てこいよ」と自分で言っておきながら、今になって直視できなくなってる。
「え、なんで目逸らすの?」
「うるせぇ。……行くぞ」
“可愛い”なんて言えるはずなくて。
はぐれないようにと出した手は、彼女が気付く前にポケットの中に引っ込めてしまった。
ぎこちない俺を笑うオマエ。
この夜がずっと続けばいいのに、とすら思った。
「五条さん、着きましたよ」
瞼の裏に焼き付いた彼女の後ろ姿がふわりと消える。
伊地知の声と共にゆっくりと速度を落とした車が峡谷脇の山道に停まった。
「帳を…」
「いいよ。どうせ誰も来ないし」
さっさと車を降りて伊地知に素っ気なく告げる。
ふと遠くの街の空に打ち上げ花火が咲いた。
色とりどりの光が自分の白髪を照らし染める。
フラッシュバックのように彼女の笑顔が見えた気がする。
任務終わり、気付けば神社に来ていた。
もう祭りも終わりに近付き、露店も明かりを消して後片付けを始めている。
金魚すくい屋には袖を濡らしてはしゃぐ彼女が、射的屋には僕が取ってあげた景品を持って喜ぶ彼女が、かき氷屋には舌を青くしておどける彼女が、アイマスク越しの六眼に映った。
「おじちゃん、わたあめ無い?」
「ちょうど残ったのが1つあるよ。だけど…」
「うん、それでいいよ」
僕は迷わず包装されたわたあめを貰うと、引き換えにお金を渡してすぐにその場を去った。
『このキャラ五条くんに似てるよね』
「……どこが似てんだか」
花火も終わってすっかり静まった空の下。
子供向けのキャラクターの包装がされたわたあめを供える。
軽く手を合わせて立ち上がり、踵を返す。
花とわたあめが供えられた墓石が、星空の下鈍く光った気がした。
あの輝く夏は、寂々と
コメント
4件
切ない😢切なすぎる😭 夏だからこうゆうのもめっちゃ最高💗
もうすぐ夏なので儚い系を(?)