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鎖骨の印

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鎖骨の印

1 - 第1話

♥

205

2025年05月21日

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鎖骨の印


※水黄

※下手くそ






👑「ねぇ、こさめちゃん見て!」


久々にお邪魔している、みこちゃんの家。


二人きりで過ごすことは今までもあまりなかったから、

前から話していた、おすすめの映画でも見ようかなと思っていたのに。


聞いて欲しいと急に言われて、

何かと思えば、すっちーとの仲の良さを自慢したいのか、


さっきからずっと、LINEのトーク画面をこさめに見せて、楽しそうに会話の内容を教えてくれる。


👑「すちくん、やっぱり絵上手いなぁ」

👑「ほら、これ、すちくんがこの前描いたって!」


画面に写っているのは、クッションの上で丸まって眠っている猫の絵。


🦈「ほんとだ…、上手やなぁ」


それでも、すっちーのことは絶対に恨めない。

大事なメンバーでもあるし、大切な友達でもあるんだから。


👑「あ、そういえば、」

👑「俺今度、すちくんに、絵の描き方教わるんよ!」


🦈「えぇー?」

🦈「みこちゃんには絵上手に描くのは無理やない?」


👑「なんでっ!」

👑「ちゃんと約束したんやから!」

👑「ほらっ!」


そう言って、また画面をこちらに向ける。


🦈「…あ、」


画面の上の方に写る、過去のメッセージのやり取りが目に入る。


最近ハマってる飲み物とか。

今度一緒にどこか遊びに行こうとか。


そんなの、わざわざ個人LINEで言わなくても、グループのディスコで話せばいいのに。


🦈「ほんまやね…」


表では、すちみことか、聖人組とか言われて、チヤホヤされてるのに、

裏でも、こんな些細なことでお互いに連絡取り合ってるとか、


まじでどんだけ仲良いんだよ。


こさめには滅多に個人LINEくれないくせに、

すっちーとはこうやってやり取りしてるんだ…。


…あー、ダサい。

こんなんで嫉妬とか。


でも、妬くもんは妬くからな。

こればっかりは、みこちゃんのせい。


大きめの窓から差し込む光に照らされている、彼の黄金色の髪に触れる。


見た目から伝わる通り、犬みたいにふわふわしてる。


👑「…こさめちゃん?」


スマホの画面を見つめて、楽しそうに微笑んでいたみこちゃんが、首をコテンとして、不思議そうにこさめを見つめてくる。


それは無意識でやってるのかな。

だとしたらなかなかのキラーだよ。


🦈「…みこちゃん、」


🦈「こさめを見てて?」


そう言って、彼の顔に近付いた。




さっきまでの雰囲気と打って変わって、部屋が一瞬の静寂に包まれた。


こさめちゃんの顔が近付いてくる。

何をされるのか、分からなくて、少し怖くて、思わず目を瞑った。


👑「…っ、」



頬に何かが触れた。


👑「へ…?」


何が起きた?

気が付けば、目の前には頬がほんのり赤く染まったこさめちゃんの顔。


と、思ったら、いきなり俺の肩に顔を埋めた。


🦈「…あ〜、」


彼の少し低めの声が、すぐそこで聞こえる。


👑「え、?」

👑「何…?」


問いかけても反応がない。

ただひたすらに、俺の肩に頭をぐりぐりと押し付けてくる。


👑「…?」


さすがに心配になってきた。


👑「…あの、こさめちゃん、、」


👑「…っ、いっ”…、//?」


鎖骨ら辺に、痛みが走った。

と共に、聞こえてくるリップ音。


👑「…っ、え、何…っ//」


今まで感じたことの無い、痛み。

痛い、はずなのに、どこか心地が良いような気もする。


👑「…ふっ、// …ぅあっ♡//」


痛みの次に感じたのは、唇が触れる擽ったい感覚。


その原因はこさめちゃんだと気付くのには、しばらく時間がかかった。


👑「…っ// こさめちゃっ…//♡」


🦈「…ん〜?」


👑「…んぅっ、♡// はなしっ…/」


俺の声は耳に入っていないかのように、こさめちゃんは鎖骨から唇を離そうとしない。


彼の肩に両手を置き、無理やり離そうとしても、手に上手く力が入らなかった。


👑「…っ、んん// …ふっ//」


聞きたくないのに聞こえてくる、気持ち悪いほどに甘い自分の声。


耳元で聞こえる、不規則な息遣いと卑猥な水音。


気が付いたら、俺の手はこさめちゃんの手に絡まれて、しっかりと握られていた。



今、俺はどんな顔をしてるんだろう。


…もう何も考えられない。


頭がふわふわする。


全身の力が抜けたような感覚。


彼の少し荒らげた息を素肌で感じて、余計に意識が変になる。


彼に吸われる度、体が信じられないほどに大きく震える。



👑「…んっ、//

…っ、も、/や…、だ//(涙目」


最後の力を振り絞って、抗議の声をあげると、ようやくこさめちゃんは俺から顔を離した。


🦈「…ん、」


👑「…ふっ、/ はぁ…っ//」


先程まで触れられていたところを手で抑える。

傷はできていないようだった。

まだ落ち着かない息を整えながら、こさめちゃんを睨みつける。


👑「…何してんの!//」


🦈「ごめんごめん 笑」


悪びれる様子もなく、笑いながら謝罪の言葉を並べるこさめちゃん。


👑「も〜//…」


跡になってないかを確認しようと、シャツの襟を引っ張る。


🦈「…ねぇ、待って、」


でも、すぐにこさめちゃんに、その手を掴まれた。

そのまま、もう片方の手で、俺の頬を優しく撫でる。


それが少し擽ったくて、


異様に胸がドキドキして、


こさめちゃんにじっと見つめられて、


真っ直ぐで透き通っている目が、俺を離してくれなくて、


顔が火照っているのが、自分でも分かってしまって、


咄嗟に顔を背けてしまった。



🦈「…こさめ、みこちゃんのこと好きなんだけど」


横から聞こえてきたのは、信じ難い内容を淡々と綴っている、こさめちゃんの声。


👑「…ぇ、」


衝撃のあまり、変な声が出た。


好き?


好きって、どんな…。


大事なメンバーとして?


それとも…。


🦈「…ねぇみこちゃん」

🦈「もっかい、さっきのやっていい?」


さっきのというのは、あの変な感覚になるやつだろうか。


👑「なっ”…//」

👑「いい訳ないやろ!//」


またもや俺の頬に手を当てて、顔をずいっと近付けてくる。


🦈「…でも、こさめはみこちゃんにこういうことしたいんやけどなぁ」


👑「…っ///」


添えられた手が、少しずつ下へとズレていく。


首筋、


そして、さっきの鎖骨。


🦈「…ここ、赤い跡ついてるよ?」


俺の反応を楽しむように、刻まれた赤い印を優しく撫でながら、そんなことを言ってくる。


👑「……っ、ぁ、、///」


🦈「…みこちゃんは?」

🦈「こさめのこと好き?」


また、あの目で見つめられて、


もう、否定するための理由なんて、俺にはなくて、


👑「……好き/」


反射的にそう言ってしまった。


でも、不思議と違和感や後悔はない。


🦈「…やった」


鎖骨から手を離して、こさめちゃんは俺の頭を撫でる。


🦈「みこちゃん、こさめと付き合ってくれる?」


👑「…うん//」


付き合うという響きが、自分には無縁だと思っていたから、少し気恥しい。


1人でまた顔を熱くしていると、左手をこさめちゃんに取られた。

そのままキスを落とされる。


🦈「…これからもよろしくね?」

🦈「今後は、こさめの恋人として、ね?」



こんなにも顔を赤らめているみこちゃんの姿は、さすがのすっちーも知らないはず。


別に戦っているわけじゃないけど、どことなく、勝負に勝ったような気がして、口元が緩んだ。


恋人に思いっきり抱きついては、耳まで赤くなっている彼を見ながら、

暫くは優越感に浸っていた。





後日


🦈「…あ、」

🦈「ねぇ、すっちー」


🍵「ん〜?」


深夜の作業中。


ディスコで繋がれたこさめちゃんから、話をされた。


🦈「こさめ、みこちゃんと付き合ってる」


🍵「…え?」


はい?


頭で理解するには、不十分の情報量だった。


え、いつから?

なんで?

ほんとに?


疑問が頭から浮かんでは消え、浮かんでは消え……。


🍵「…おめでとう、?」


ようやく口から出たのは、簡単な祝福の言葉。


🦈「ありがとう 笑」


こさめちゃんの、照れくさそうな笑い声が聞こえてきた。


…これは、聞いていいやつなのだろうか。


悩みながらも、やっぱり知っておきたいと思って、こさめちゃんに質問する。


🍵「…あのさ、答えたくないならいいんだけど」

🍵「いつから?」


🦈「ん〜、」


俺の質問に、こさめちゃんはしばらく唸り、言葉を続ける。


🦈「1年くらい前?かな」


🍵「へぇ 笑」


恋バナとか、あんまり経験したことないけど、

他人のこういう話を聞くのは、意外と楽しいかも。


🍵「どこら辺にときめいたの?」

🦈「可愛いところ」

🍵「在り来り過ぎだよ 笑」

🦈「事実やから!」


付き合ったと聞いた時は、一瞬でも活動のこととかが頭に過ったけれど、

この様子なら大丈夫そうだ。


🍵「まぁ、お幸せにね」

🦈「ん、ありがと〜」


今度、みこちゃんにも聞いてみようかな。


そう思いながら、作業に戻った。

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