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みかん🍊ゆたくん推し
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楪羽*yuzuriha*
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佐野:メリークリスマス!!
吉田:メリークリスマス……
カチンと缶がぶつかる音が部屋に響く。喉を伝う熱さと、鼻から抜けるアルコールの香り。まさかここで久々にお酒を飲むことになるなんて
佐野:吉田君、お酒飲めんだ
吉田:一応飲めますよ、もう20歳超えてるし
佐野:違和感しかないわ笑
…いやいやいや、この状況の方が違和感しかねえよ!なんで普通のテンションでいれるのか意味が分からない。俺、今、佐野さんの部屋にいるんだ。マジで緊張するんだけど…だって俺の脳裏にはあの言葉がずっとチラついてるから
「吉田君の思ってることもやるから」
って、そういうことだよね、いや、俺の考えすぎ??緊張と困惑と嬉しさと、色々な感情が俺の中を入り乱れておかしくなりそうなんだけど、、
佐野:なーにボーッとしてるの
吉田:っ?!
まただ。耳元で囁かれる。背中がゾワッとして、体温が高まるのを感じる。え、どうしよ。始まるのか、?俺、まだ気持ちの準備がっ
佐野:早く食べようよ!
吉田:え…はい
俺の気持ちなんか素通りして、佐野さんはスーパーに売ってたチキンを口いっぱいにほおばった。意外とわんぱくな食べ方で、なんか、佐野さん大人っぽいから凄くギャップに感じる
佐野:…そんな見られたら食べずらい笑
吉田:…あ、すみません、てか、勢いで結構買ってたけど、食べ切れるんですか?
佐野:俺仕事終わりでお腹すいたし、吉田君もお腹すいてるでしょ?
吉田:まあ、そうですけど
佐野:そんなに眉間にしわ寄せないでクリスマス楽しもうよ!後でホームアローンとか観てさ!
佐野さんは俺のおでこにデコピンをするフリをしてニヤリと笑った。そうだよな、年に1回のクリスマス、佐野さんと過ごせるなんてもう二度と無いだろうから楽しまないとな。佐野さんに誘われるようにお酒片手にチキンを頬張る。ん、うまっ。上京してからクリスマスらしいことしてなかったから、新鮮で面白い
俺はあのお誘いを頭の片隅に置いて佐野さんとの会話に花を咲かせた。でも、片隅にすら置けないことがひとつある。それは
吉田:あの、写真消してくださいね
そう、俺の黒歴史。家に来たら消す約束をしていた。てか、これが目的(表上は)だからさっさと消して欲しい。しかし、佐野さんは中々スマホを取り出さない
吉田:なんでそんな、渋るんですか
流石にしびれを切らして聞いてしまった。すると、佐野さんは大きく深呼吸をしてこちらを見てくる。え、なに?もしか拡散したんか?!色々な憶測が脳裏を飛び交ったが、佐野さんの口から飛び出た言葉は意外なものだった
佐野:…ないから
吉田:え?
佐野:撮ってないからっ!!
…は?撮ってない、ってどういうこと?確かに、あの時スマホの画面は見えなかったけど、あれは演技、?頭がこんがらがって何も言い返せない俺の様子を見て、佐野さんは観念したように話し始めた
佐野:あんな襲われてる状況で撮れるわけないじゃん…ほんとは撮りたかったけどさ、それどころじゃなかったもん
吉田:じゃあなんであんなこと
佐野:ごめん!吉田君のこと、絶対誘いたかったから嘘ついた…今までも何回か誘おうか迷ったんだけど、バイト中だったから申し訳なくて
佐野さんは俺の目を真っ直ぐに見据えて今までの思い的なことを熱弁し始める。なんで、なんでそんな小っ恥ずかしいことをこの人は堂々と話せんの!?え、俺の方が恥ずかしくなってきたんだけど…写真撮ってなかったのはまぁ、うん、許すとして。絶対誘いたかったなんて…はっず!!!
何かを語る佐野さんの話はもう、聞くに耐えなくて、俺は飲みかけのお酒で心の中に渦巻く羞恥心を一気に流し込んだ
佐野:でもやっぱ吉田君が可愛くて…ってえ!?そんな一気に飲んだら、
吉田:ブハッ、、映画観ましょ!?
佐野:…え?嘘ついたこと怒らないの?
吉田:もう、いいです!撮ってないなら別に…
佐野:そう、?じゃあ準備するから、冷蔵庫に入れてたケーキ出してほしいかも。食べながら観よ
はぁ、何とか話そらせた…安堵しつつ立ち上がると自分がふわふわして、視界が歪む感覚がする。飲みすぎたなぁ、なんて考えながらキッチンに行って開けると、すっからかんな冷蔵庫の中に、今日みたいにポツンとケーキの箱だけがあった。傾けないように取り出し箱を開ける。ひとりで食べるには少し大きなホールケーキ。上にはオーナメントのサンタとMerryChristmasの文字が書いてあるチョコのプレートがついていて、こんな可愛いケーキを男2人で食べるなんて、なんか笑える
佐野:見つけた?
吉田:うん、てかそれしかないじゃん笑
佐野:あ、他人の冷蔵庫の中、探索するタイプだ
吉田:いや探索するものすら無いです。佐野さん自炊とか出来ないタイプだ
佐野:今日はたまたま空っぽなの!てか明日なんか用事あるの?
吉田:いや、午後からバイトです
佐野:また?
吉田:っていっても、今日のクリスマスの飾りの撤収とか、雑用です。店自体早めに閉めるし
佐野:俺も明日午後から仕事だわ。てことは、ちょっとはゆっくりできるか…っよし、準備完了!早く隣座って!
久々に観たから最初こそ懐かしさとか面白さを感じてたんだけど……まじで眠すぎる。佐野さんが買ってくれたお酒と、ケーキの甘さで血糖値爆上がりなんだけど。しかも部屋を薄暗くしてるお陰で、もうほぼ寝室だよね。でも、せっかく佐野さんといれるんだから、ちゃんと起きないと、という俺の意志とは反対に視界がぼやけていく。映画を観てるのか夢を見てるのか、境界線があやふやになってきた
けど
佐野:クリーム、ついてる
部屋に響いた佐野さんの声は、俺の唇に挟まれて、眠気とともに静かに消えた
うわ、本当に隣に吉田君いる。店長さんに頼んで一緒に帰らせてもらえてよかった。でも、変な感じ。久々に映画観るから楽しいんだけどさ、うん、全く集中出来ないよね。バレないように横目で見ると、吉田君はソファーにもたれかかりながら、結構真剣に鑑賞してる。と思いきや、たまに机に置いてあるケーキを食べているみたいだけど、なんか眠そう。目、ほぼ瞑ってるよね?だって、俺、ガン見しても全く気づいて無さそうだし。流石に帰らせないとという理性と、少しでも好きになって欲しいという本能が、俺の天使と悪魔になって交互に現れる
あ、吉田君の口元にケーキついてる。可愛いな……酒を飲んだからか、いつもなら絶対やらないことが思いついてしまう。そして、吉田君の反応が見たいという衝動に駆られる
佐野:クリーム、ついてる
気が付けば、口元に付いた生クリームを舐めるように、優しく口付けをしていた。ゆっくと目線を吉田君に向けると、先ほどとは打って変わって、 暗闇でもわかるくらい大きく見開いた目をしている
佐野:、ごめん、口にクリームついてたから、つい、
暗くて顔色なんて分からないのに、絶対に真っ赤になってるのが伝わるくらい、恥ずかしそうな顔。 その反応が俺の癖に妙に刺さって、もっと、襲いたくなる
佐野:…誘ってる?
吉田:へ、?
佐野:…あ、ごめん!!俺、めっちゃ変なこと言ったわ笑、忘れて、
あー何やってんだ俺。絶対引かれた。終わった。俺は吉田君が見れなくて、何も内容が入ってこないのに映画を眺める。吉田君は何も言わない。それが更に気まずさを倍増させる。何か動かないと落ち着いていられなくて、机の上に置いてある食べかけのケーキを口に運ぶ。甘い、けど、さっきの方が甘かったな…って何考えてんだ…
佐野:……へっ、!?
口元になにかが掠るような感覚があり思わず隣を見ると、いつの間にか吉田君は俺の方に体を寄せ、俺の口元を指で触れていた
吉田:…佐野さんも、口の端に生クリームついてますよ
そう言うと、見せつけるように、でも伏し目がちに、指についた生クリームを舐めた。その、艶かしい行動に思わず息を飲む
吉田:……何か言ってくださ、、っ!!
俺は吉田君をソファーに押し倒し、少し乱暴に口を塞いだ。ケーキの甘さのお酒のアルコールが唇から伝わる。徐々に目尻に溜まる涙が艶っぽくて、口の端から漏れる吐息が情欲を掻き立てる。そして、俺の服を握る俺よりも一回り小さな手が可愛くて、重ねるように手に触れ、そのまま恋人繋ぎに直す。だって、握るなら俺の手を握って欲しいから
佐野:…甘い、ね?吉田君、鼻で息吸わないと苦しいよ笑?
吉田:ぅ、、はぁっ、わかってる、よ、
こんな時でも強気な吉田君が愛おしくて、もっと曝け出す姿を見たくて、でも我慢しないとって、、思ってたのに
吉田:っ、俺の名前、仁人、、だから、名前、よんで、よ、
俺の理性はそこで途切れた
こんなに本能のままに行動したのはいつぶりだろう。きっとクリスマスのせいだ。すやすやと眠る仁人の隣に寝転ぶと、カーテンの隙間からしんしんと降る雪が見える。この状況が夢みたいで、仁人を起こさないようにゆっくりと窓に近付き鍵を開ける。体が熱いからか、その寒さが心地よくて、そしてちゃんと現実なんだと実感が湧く
吉田:、さむ
佐野:あ、ごめん、起こした?
後ろから掠れた声が聞こえて、急いで鍵をかけカーテンを閉める。布団に潜り込むと、寝ぼけているのかぴったりくっつかれる
佐野:寒かった?
吉田:、ん、、勇斗、あったかい
それだけ言い残し、さっきよりも近い距離で再び寝息が聞こえ始める。頭を撫でると口角が少し上がったように見えて、思わず笑みが零れた
山中:昨日、楽しめました?
吉田:あ、?なにが?
裏でクリスマスの飾り付けの片付けをしていると、柔太朗が俺に話しかけてきた。いきなり何を言ってんだろ。あ、このニヤニヤした顔、昨日も見たな
山中:あれ?一緒に帰ったからてっきりあの常連さんと
吉田:はっ、!?
山中:…そんな動揺しないでよ。聞いた俺が恥ずくなる
吉田:何言ってんの?!ばかっ!!
塩﨑:なぁ、ショーケースの方まで吉田さんの声響いてるんやけど…てか吉田さん大好きな常連さん来てる
吉田:お前なっ、
塩﨑:だって事実やん!店内でイチャイチャせんといてよ
結構言ってることが当たってるから何も言い返せず、2人の気色悪い眼差しを無視して表に向かう。扉を開けると今日接客担当の舜太が佐野さんとなにか喋っていた
曽野:今来ると思うので、、あ、噂をすれば!あとは仁ちゃんよろしく!
舜太は、満足気に「俺、ナイスアシストしたわぁ」と小声で呟きながら俺の脇を通り過ぎて行った。どいつもこいつも、本当にガキすぎる
吉田:いらっしゃいませ。二日連続は珍しいですね
佐野:…なんでそんな他人行儀なの、仁人
吉田:やめっ、名前呼びは恥ずい
佐野:えー昨日はあんなに俺の名前も呼んでくれたのになぁ笑
佐野さんもガキだわ。もう、昨日のことは恥ずかしすぎて思い出したくないのに
吉田:…今日せっかく来て頂いたんですけど、このショートケーキしか残ってないんで。強制的にこれです
佐野:そっか。じゃあ、そのショートケーキ2つ
吉田:はい。それではお会計…ん?
佐野:え?
吉田:なんで2つ?佐野さんいっつも1つなのに
珍しい。普段絶対1つしか頼まないのに。ストレスが溜まってんのかな、と思っていたが
佐野:また仁人と一緒に食べたいから
真っ直ぐな目。普通こんな公共の場でそんなこと言えないでしょ…でも、そんな素直な所が羨ましい。俺も、佐野さんにもっと俺の気持ちを伝えたくなる
吉田:…俺、生クリーム苦手
佐野:っ、え、あ!ごめ
吉田:ケーキ、口実にしなくてもいいです。俺、普通に行きたいんで、勇斗の家に…
あー恥ずかし。全然ハッキリ喋れなかった。まじでごにょごにょしてたと思う。反応が怖くて顔見れないのに、いくら待っても声が聞こえなくて……だから、恐る恐る視線を上げると、なぜか両手を顔に当てて天を仰ぐ形で固まってる佐野さんの姿が見えた
吉田:え、佐野さん、?
佐野:ちょ、もう、可愛すぎる
吉田:は、?
佐野:…とりあえずそのケーキ1つと仁人ください
吉田:は!?なに馬鹿なこと言ってんの!?
佐野:だって仁人はケーキみたいなもんじゃん
吉田:え、ケーキ?
塩﨑:はい、どーぞどーぞ
困惑する俺のことを無視して、裏の片付けが終わったのか最悪なタイミングでアイツらがやってきた
吉田:は、?おま
舜太:もうすぐ閉店時間だし!仁ちゃんいなくても店長さんと俺らで締めやっておくから!
山中:選んだケーキこちらですよね?箱にお入れしますね……よっしーはケーキだけど手伝わなくても大丈夫そ?
吉田:お前らなぁ、いい加減に
塩﨑:ほらっ!ケーキなんだから口答えせんといて!
曽野:それな!せんといて!
吉田:っまじで、、後で覚えてろよ!!
これ以上ケーキケーキ言われるのは腹立たしいから、店長に伝えて直ぐに私服に着替えに行く。また佐野さんと帰れるのは感謝してるよ?でもさ?完全にいじってるよな?もう、佐野さんのせいだ。ケーキみたいなもんって何だよ、ケーキって!?
ぶつくさと文句を言いながら裏口を出る。そして少し歩いた所に、また、昨日のように佐野さんが俺のことを待っていた
佐野:あ、来た来た
吉田:なんで、 俺、ケーキなんですか
佐野:開口一番に言うことがそれ?
吉田:俺の質問に答えて
佐野:えぇ、?ケーキは俺の癒しだから
吉田:……そ
佐野:あはっ、もしかして照れてる?
吉田:、うるさい、
佐野:あとは…甘いから
吉田:甘いって、人に対してってこと?
佐野:それもあるし、昨日の仁人はマジで甘かっt
吉田:変態
佐野:大丈夫、ケーキより甘いから!
吉田:そういう問題じゃない!!!
すみません、最近忙しくて出すのに時間かかりました
第1話の方の『売れ残りケーキ』が1000超えたら残すし続き書くよ、って意味だったのですが、あのしょうもないお願いの方も1000超えてしまって。伝え方が下手ですみませんでした
とりあえず区切りついたので、この話を元に書いた別の話、多分明日から出します。気になる人は読んでみてください
それでは
(♥1000超え本当にありがとうございました!)
コメント
2件

わーい🙌ありがとうございました!! 次作も楽しみにしてます!
第3話、じっくり読ませていただきました。 何より「クリームついてる」のあのシーン、ドキドキが止まりませんでした…! 佐野さんの衝動的なキスから、それに応えるように指先で生クリームを♡♡♡吉田くんの仕草。あの艶っぽさと、お互いに気持ちが溢れ出すタイミングの描き方がとても繊細で、本当に惹き込まれました。 それとラスト。ケーキは俺の癒し、甘いから──そんな言葉で吉田くんを想う佐野さんの素直さが眩しいです。忙しい中、こんなに甘くて暖かいクリスマスを届けてくださって、ありがとうございます。次のお話も楽しみにしていますね🌷