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花梨
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千導 渉
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「ちょっと工藤くん! あんた、快斗と知り合いだったの!?」
休み時間になった瞬間、中森青子が新一の席に詰め寄った。周囲の女子生徒たちも、興味津々で新一を取り囲んでいる。
新一はブレザーの襟を少し直しながら、いつもの完璧な優等生スマイルを浮かべた。
「ああ、ちょっとね。あいつのマジックの腕前が凄くてさ。前からの『知り合い』なんだ」
「へーえ! 快斗が生意気なこと言ったら、すぐに青子に言ってね。こいつ、家ではだらしないんだから!」
「おい青子! 余計なこと言うんじゃねぇよ!」
快斗は机に突っ伏したまま、ジト目で新一を睨みつけた。
(知り合い、ねぇ。よく言うぜ、昨日までオレを捕まえる気満々だった探偵さんのくせに……)
女子たちが去った後、新一は椅子を快斗の方へ引き寄せ、声を潜めた。
「なんだよ、不満そうな顔すんな。これでお前の『理由』について、いつでも相談に乗れるだろ?」
「相談って……お前な、ここは江古田高校だぞ? 万が一オレの正体がバレたらどうすんだよ」
「心配すんな。お前のポーカーフェイスが完璧なのは、俺が一番よく知ってる」
新一がサラリと言ってのけたその時、新一のポケットの中でスマホが激しくバイブレーションを響かせた。
画面に表示された名前は『服部平次』。
「おい、平次からだ」
新一が通話ボタンを押して耳に当てると、スピーカーから漏れるほどの怒鳴り声が教室の隅に響いた。
『――おい新一ィ!! お前、帝丹高校に退学届出して江古田高校に転校したってマジかァ!?』
「退学じゃなくて転校だよ。ちょっとこっちに用ができてな」
『用って、あのキザ野郎の隣に引っ越しただけやろがい! 蘭ねーちゃんが「新一が急にいなくなった」って大阪のオレに泣きついてきたんやぞ! どうすんねんこれ!』
新一は少し気まずそうに頭を掻いた。
「あー、蘭にはちゃんと後で説明するよ。……それより平次、お前が快斗に余計な伝言を伝えたのがキッカケだろ?」
『オレはただの親切心や! それにしてもお前、行動力が爆発しすぎやろ。一生の相棒って、まさか学校まで追いかけるとは思わんかったわ……』
電話の向こうで平次が大きなため息をつく。
『……まあ、ええわ。その代わり、あの組織の尻尾を掴んだら、絶対にオレにも連絡しろよ? 西の高校生探偵をのけ者にして二人だけでイチャイチャ……いや、事件解決しようとしたら、木刀持って殴り込みに行くからな!』
「分かってるよ。お前にも頼りにしてるぜ、平次」
新一が苦笑しながら電話を切ると、快斗が呆れ顔で新一を見ていた。
「……本当に、周りを巻き込む台風みたいな探偵だな、お前は」
「褒め言葉として受け取っとくよ。さあ、快斗。放課後はさっそくお前の家で『作戦会議』だ」
新一は不敵に笑い、ノートを開いた。
探偵が怪盗の日常に溶け込み、二人の距離はさらに加速していく。
コメント
1件
おおお第7話、一気に距離縮まった感じで熱い展開でしたね!工藤くんの「いつでも相談に乗れる」って台詞、めちゃくちゃ頼もしくてグッときました。平次からの怒涛の電話もリアルで笑ったし、これでますます組織追跡が本格化しそう。怪盗と探偵の急接近に期待が止まらない!🔥