テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
もな「今日は私とだね!」
〇〇「え、ああ……よろしく」
もな「うんうん、よろしく! ね、今日はすっごくいい実験を考えてきたんだよ!」
〇〇「……実験?」
もな「そう! 『笑った回数を数える実験』! お互い、どれだけ笑顔になれるか数えて、最後に結果を比べるの!」
〇〇「……いや、それ心理実験なのか?」
もな「心理部だもん、心が元気になるのも大事でしょ?」
にこにこと笑うもなは、まるで本当に太陽みたいだ。
俺は、こんな子と正反対の陰キャなのに……なんで部活に誘ってくれたんだろうな。
もな「ほらほら、〇〇も笑って!」
〇〇「む、無理に笑えって言われてもな……」
もな「じゃあ……えいっ!」
――と、不意に俺の頬を人差し指で突っついてきた。
〇〇「ちょっ、なにすんだよ!」
もな「ほら! 笑ったー!」
〇〇「笑ってねぇ!」
もな「えへへ、でも楽しそうな顔してたよ?」
……くそ。
確かに、少しだけ口元が緩んだ気がする。
⸻
放課後が終わるころ。
もな「ねぇ、〇〇。今日、楽しかった?」
〇〇「……まあ、悪くなかった、かな」
もな「やったぁ! じゃあ記録は――〇〇、三回笑った! 私は五回! 私の勝ちだね!」
〇〇「はぁ……俺と比べるなよ」
もな「でもね、こうやって一緒に笑えたのは嬉しいな。ありがと、〇〇」
……素直にそう言えるのが、この子のすごいところだと思った。