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怜華「本日は、私と〇〇さまがご一緒なのですね」
〇〇「ああ、よろしく」
怜華「ふふ、緊張なさらなくても大丈夫ですわ。……と申しましても、私自身が緊張してしまっているのですが」
〇〇「お前が緊張するのか?」
怜華「ええ。人と深く向き合うのは、意外と難しいものですから」
〇〇「……そういうもんか」
怜華「ですので、今日は互いに『好きなもの』を十個挙げてみませんか? 心を知るためには、大切なことですわ」
〇〇「十個か……急に言われても出るかな……」
怜華「大丈夫。わたくしから申しますね。まず一つ目――静かな読書の時間。二つ目は紅茶。三つ目は、信頼できる人と過ごす時間……」
〇〇「……すげぇ、すらすら出るな」
怜華「ふふ。お嬢様らしく見えても、意外と普通ですのよ。あ、四つ目は可愛い動物。五つ目は……甘いお菓子」
〇〇「お前、意外と子供っぽいとこあるな」
怜華「……っ! そ、そんなこと……」
(小声)「……うち、バレちゃったかも」
〇〇「……今なんか言ったか?」
怜華「な、なんでもございませんっ!」
――会話はゆったり流れる。怜華は丁寧に言葉を選び、〇〇は素直に返す。
二人きりでのやり取りは、どこか穏やかで落ち着いている。
怜華「では、今度は〇〇さまの番です。好きなもの、聞かせてくださいまし」
〇〇「俺? うーん……寝ることとか……音楽とか……」
怜華「なるほど、意外とシンプルで素敵ですわ」
〇〇「いや、手抜き感あるだろ」
怜華「ふふ……そうやって自分を卑下なさるところも、悪くありませんわよ」
〇〇「……お前、なんか時々ズルいこと言うよな」
怜華「そうでしょうか? わたくしはただ、思ったことを言っているだけですのに」
怜華「本日、ご一緒できて光栄でした。……また、わたくしと話していただけますか?」
〇〇「……まあ、気が向いたら」
怜華「……ふふ。では、次の機会を楽しみにしておりますわ