テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
______
私を助けてくれたのはどうやら彼のようだ。
名前はマルコさんといい、必要なものを買いにやってきた際に私を見つけてくれたようだ。
ここはマルコさん達が乗っている船であるのだが、
ただ船は船でもここは
「海賊船だ。」
「海賊船…?」
「あァ。海賊ってのは広い海の上を渡り歩く。
だが世間からは忌み嫌われる存在だ。
善良な一般市民や女や子どもの命を平気で奪う奴らも居るからな…。
俺も一応、海賊の一人なんだよい…。」
海賊……そんな恐ろしい存在が居るだなんて…。
その話を聞いただけでもゾッと背筋が凍る…。
「安心してくれ。俺ァ海賊だが無闇矢鱈に命を奪うつまらねェ真似はしねェよい。
それに医者だしな…?お前さんが倒れていたのは放っておけなかったんだよい。」
マルコさんは海賊。だけどさっき教えてくれた海賊というものと違うのは十分伝わってくる。
こんな私を助けてくれて丁寧に診察をしてくれたんだから。
それに優しい言葉と表情も向けてくれる…。
『____本当使えねぇよな_____』
「…っ!」
ふと、頭の中で誰かの声が響いた。
「ん?どうした?」
「い、いえ何でも。助けていただいて本当にありがとうございます。
それとごめんなさい助けて下さったのに私何も覚えてなくて…」
「大丈夫だよい。色々不安だろう…
もう少しここで休んでてくれて構わねェよい。
何か飲み物でも淹れてこようか。」
「いいんですか…?」
「あァ、温けェもん飲んで気持ちをほっとさせねェとな?」
マルコさんはそっと私に微笑むと部屋を出た。
本当にいい人だ……
それにしてもさっき頭の中で聞こえた声は一体何だったんだろう…?
何かひとつでも思い出す事は出来ないかな…
せめて自分の名前だけでも知ることが出来たら……
と、カバンに目が留まった。
そういえば、カバンも一緒に持っていたと言われたな…。
「すみません、そのカバンちょっと貸していただいてもいいですか?」
近くに居たナースに声を掛け、カバンを手に取る。
もしかしたら持ち物に名前が書いてあるのかもしれない……
それに何をしようとしていたのかも思い出すことが出来るかも…。
100
71