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事務所での深夜作業中。カタカタと響くタイピング音が、やまとのところで途切れた。
「……っ、……はぁ」
荒い呼吸とともに、やまとの頭がゆっくりとデスクに沈んでいく。
隣で作業していたゆうたは、その異変を音だけで察した。
「やまと。……限界だろ」
「……ゆうた……。ごめん、なんか、急に視界が……」
ゆうたがやまとの額に手を触れると、驚くほど熱い。
「熱っ……。お前、これ何度あるんだよ。……おい、ひゅうが! 車出す準備しろ!」
ゆうたの鋭い指示に、別室にいたひゅうが、ゆうま、あっちゃんが慌てて駆け寄ってくる。ひゅうがが抱きかかえようとするが、ゆうたがそれを制した。
「俺がやる。……やまと、俺に捕まれ」
ゆうたは、意識が朦朧としているやまとを自分の肩に預け、支えるようにして車へ運んだ。2026年、二人の絆は言葉がなくても、お互いの体温だけで全てが伝わる域に達していた。
【自宅にて】
ベッドに横たわったあとも、やまとの震えは止まらない。
「……寒い……。ゆうた、どこ……?」
「ここにいるよ。……ほら、ポカリ飲め」
ゆうたは、やまとの体を起こし、自分の胸に預けながら少しずつ飲み物を飲ませる。
ひゅうがたちが「俺らも手伝う」と部屋に入ろうとしたが、ゆうたはドア越しにこう告げた。
「今日は俺がずっと見てる。お前らは明日早いんだから、もう寝ろ。……何かあったら呼ぶから」
それは、相棒としての「独占欲」にも似た静かな宣言だった。
「……ゆうた……、手……握ってて……」
熱で子供のように甘えるやまと。ゆうたは「……しょうがねぇな」と呟きながら、やまとの熱い手を自分の大きな手でぎゅっと握りしめた。
「やまと。お前がいないとコムドットは始まらないけど、お前が壊れたら俺の人生も止まるんだよ。……わかったら、早く治せ」
「……ん……。ありがと、ゆうた……」
ゆうたの規則的な鼓動と、繋がれた手の温もりに包まれて、やまとはようやく深い眠りに落ちた。