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「もしかして、俺も行かないといけないの!?」
たくやの顔は青ざめていた。
「今日は地獄だ…」
その後しばらく沈黙が続いた。俺ら3人は帰り道が一緒なので、鉛のように重い足で駅まで歩いていた。
「まぁ、でも今回の飲み会は慎一さんっていう人が企画してるんでしょ?」
何かが吹っ切れたかのように、さきが言った。
「安達さんが企画してないんだったら、そんなにたくさん飲まないんじゃないかな?」
「確かに!」
今日の飲み会はそこまで酷くないかもしれない。そう思うことで、俺たちの足はさっきよりも随分と軽くなった。
「とりあえず、行くだけ行ってみよ!私も8時くらいには行けると思うから。」
「いや、遅いだろ」
今が16時だから、さきが来れるのは4時間後ってことになる。妹の送り迎えにそんなにかかるとは思えない。
「いいでしょ、別に!お母さんが帰ってくるまで、妹のお世話をするの。」
「ごめん。。」
俺はさきが怒ったのに、びっくりにしてまた固まってしまった。
気がつくと、駅に着いていた。
「ところで、たくやは何時までバイトなの?」
「9時までかな。だから、その後すぐ行くよ。」
「おっけー」
「じゃあ、またあとでね!」
さきはこの駅で電車には乗らず、近くに止めてある自転車に乗って帰っていった。
「俺らも帰ろうぜ。」
たくやは初めと違って、とても安心しているようだった。それを見ている俺も少し緊張がほぐれた。
「みんなが来るまで、どうにか耐えるか…」
俺はそう思って、たくやと一緒に電車に乗った。
この時までは、誰も想像がつかなかった。
まさか、これから始まる飲み会で多くの血が流れることを…