この作品はいかがでしたか?
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玄関を開けるとそこには見知った男が3人いた。
できおことうみにゃだけだと思っていたらDDも来てくれたようだ。
とりあえず、中に入れた。
こういう時オフ会に参加してて良かったなと思う。
オフ会が無ければ顔がわからなかったから
声が聞こえない今、判別できるのは視覚での情報だけ。
お茶を出そうとするとできおこが紙に『病院、行こう?』と書いて見せてきた。
うみにゃが『俺運転するから』そう書いてくれた。
申し訳なかったけどDDが不安そうな顔でこちらを覗いたので3人に甘えることにした。
3人は デスクどこ? と聞いたのちゲーム部屋に向かった。
あ、まだ通話してるんだった。
忘れてた…
紅茶とぺにがきは泣きそうになっていた。
できおこは端末に向かい何か話してるようだった
口の動きからして「病院連れてく」的なことだろうか?
そのままうみにゃに連れられて車に乗り込んだ。
何の音も無い世界は想像もしないほど怖かった
僕が誰の声も聞こえないように、いつか僕の声も届かなくなるのではないか。
そんな恐怖に駆られた。
それを察したかのように僕の隣に座っているできおこは口をゆっくり動かして「大丈夫、大丈夫だよ」そう励ましてくれた。
その優しさと聞こえない恐怖と仲間がいるという安心感で僕は眠りについた。
肩を揺らされた
『病院着いたよ』
そうDDが見せてくれた。
相変わらず音は聞こえなくて、怖くて泣きそうになったけど、3人がぎゅっと手を繋いでくれていた。
スマホから振動が伝わってきた。
紅茶からだ。
『大丈夫か?大丈夫な訳あらへんよな…ごめんな、何もできんくて。なんかあったら言ってな』
そうきていた。
その心遣いがとても嬉しくて、思わず泣いてしまった。
3人はその様子を見て焦っていたが、やがて僕を囲むように優しく包み込んでくれた。
案の定、僕の聴覚は突発的に著しく落ちていて、片耳だけならともかく、両耳が完全に回復することは難しいと判断された。
それを知ってるのは来てくれた3人だけ。
他のみんなには自分から伝えたいと言い、時間をもらった。
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