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また学校を数日欠席させられた。カウンセラーと面談までさせられた。メンタルヘルスを改善するためのカウンセリングのはずなのに正直話していてイライラした。
「こんなこと言うと自分が見えてないと言われそうだけど、僕は死にたいと思ったことはないんです」
「死にたいと思ったことはないんですね」
「悩みは恋人との関係だけです」
「悩みは恋人との関係のことなんですね」
「僕には彼女とうまくやっていく自信がないです」
「彼女とうまくやっていく自信がないんですね」
馬鹿にされてるのかと腹を立てたが、こういうのをカウンセリングマインドと呼ぶらしい。
「僕は馬鹿です」
さすがに〈あなたは馬鹿なんですね〉とは言えず、カウンセラーは困っていた。
「僕は頭がおかしいです」
「ええと――」
カウンセリングを継続するにしても、せめて別の人に変えてもらおうと思った。
病院で薬を処方された。精神安定剤らしい。飲みたくないが、一回でも飲まなければ入院させると親にまた脅された。
また金曜日まで学校を休まされ、翌週月曜日にやっと登校できた。触らぬ神に祟りなしという感じのクラスメートたちの冷たい視線が胸に痛い。友だちのリョータでさえ一言声をかけてきただけで、さっさと僕から離れていった。
昼休みに食事しようと彼女に誘われた。また彼女が暴れ出したら、今度も僕が暴れたことにされるのだろうか? 正直断りたいが、これも断れば入院させると約束させられている。八方塞がりとはこのことだ。