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「フェニランが閉園する一年くらい前から客足は少なくなっていたんだ。でもね、お兄ちゃんたちがなんとか生計を立ててやりくりしていたんだ。でもね、赤字が続いちゃって。お兄ちゃんたちは”苦渋の決断だ。俺たちも心苦しいが、仕方がないことだ”って言ってたんだ。」
そう、フェニランは途中までは多くのお客さんが訪れていて、常に笑顔が溢れていた。朝から夜まで、笑い声が響いていた。でも、いつからか、そんな笑顔や笑い声は少なくなっていき、閉園せざるを得ない状況へと変わっていってしまったのだ。
「私はね、その時は反対したんだ。”でもそれじゃあおじいちゃんが残した大切なものが!”ってね。そしたら”えむ、現実を見ろ。俺たちだって手は尽くした。でも、増えなかった。だから閉めることにしたんだ。”って。私は何も言えなかった。だってお兄ちゃんたちがあらゆるでを使っていたのを私は見ていたから。」
そう話すえむの顔は少しずつ暗くなっていった。
「でもね!私はやっぱり諦めきれなかったんだ。なんとかしてフェニランをもう一回復活させたい!って思ったんだ。でも、どうすればいいのかわからなくて路頭に迷ってた。でもね、1人、声をかけてくれた女の子がいたんだ!」
その女の子は、えむのクラスメイトだった小豆沢こはねだった。彼女はフェニランが大好きで思い出が詰まっていた場所だった。ある時、こはねはえむに声をかけていた。
‘あの、鳳さん。フェニランが閉園したって本当なの?
と。その質問にえむは答えたくなかった。でも、答えなかったら後悔しそうで、話すことにした。
‘うん、本当だよ。お客さんが来なくなっちゃって、閉めることになっちゃったんだ。
‘ねぇ、鳳さん。私にできることってない、かな?
そう、こはねはえむに聞いた。えむは初めて、理解ができていなかった。何を言っているのか理解できなかった。でも、数秒経ってやっと理解した。フェニランの復活に協力してくれる人がいる。そしてフェニランの復活を願う人がいるということを。
‘本当!?こはねちゃん、ありがとう!
えむは夢心地だった。だってずっと1人で頑張らなきゃいけないと思っていたから。
‘一緒に頑張ろうね!こはねちゃん!
‘うん、頑張ろうね!えむちゃん!
その後、2人はフェニランに向かった。フェニランの空気を感じたいとこはねが言ったからだ。その場所で彼が現れた。
‘やあ、君たちはどうしてここに来たんだい?
‘え、えっと。えむちゃん、この人知ってる?
えむは必死に思い出していた。紫の髪。そしてこの喋り方。すごく聞き覚えがあったのだ。
‘あ、そうだ!フェニランでいろんな道具みたいな人形みたいなのが動くショーをやってた人だ!
‘ふふ。覚えていてもらえて光栄だよ。ぼくは神代類だよ。よろしくね。それで、君たちはどうしてここに来たんだい?
‘えっとね!フェニランをもう一度復活させたくて!フェニランの復活を望んでる人はたくさんいる!だからその人たちの期待に応えたいの!
‘おや、奇遇だね。僕もそのつもりでここへ来たんだ。僕もフェニランでショーをしていてすごく楽しかった。だからもう一度ショーをしたくてね。
えむはすごく嬉しくなった。フェニランのために動いてくれる人はこはねだけじゃなかった。まだ他にもいたんだ。類という力強い味方がここにはいたのだ。その事実があるだけで嬉しくなった。
‘じゃあ類くんも、私たちを手伝ってくれる?
‘いいよ。僕もここのためにできることをしたい。協力させてくれないかい?
‘ー!ありがとう!ルイくん!よーし!こはねちゃん、類くん!フェニラン復活のために頑張ろー!
「なるほど、そこで類とえむは出会っていたのだな。知らなかった」
「うん。だからね、その時はすごい嬉しかったんだ。力強い味方がいてね」
それを聴きながらミクとリンは笑っていた。でも、えむの表情は次第に曇っていった。
「でも、ここから私は苦しくなり始めたの。」
「え?」
「次はその話をしようかな。司くんとの出会いもここらへんだよ。」