春ココ
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新連載 君と私の音羽。
[AM7:55]
ココ))「·······」
深夜2:30に鳴るはずだったアラー厶の音が聞こえなかった
鳴らなかったんじゃない 聞こえなかった
あと5分で会議が始まることに気づいた俺は急いで準備した
富山から東京に着くまで2時間かかる
2分後の新幹線で行っても確実に8:00を過ぎる
〈竜胆視点〉
竜胆))「ココ遅い········」
普段なら開始5分前にくるはずだったココがいない
春千夜))「俺、ちょっと見てくる」
ココの家は東京から遠い富山にある
[AM11:30]
ガチャッ
ココ))「···········」
春と入れ違いにココが無言で会議室に入ってきた
竜胆))「ココ······」
ココ))「???」
俺が話しかけるとココは困惑した表情になった
ココ))「·······」
少し間が開いたあとココが口を開いた
ココ))「何も聞こえない」
ココが何も聞こえないと言ったと同時に首領・鶴蝶・兄貴が凍りついた
そんな俺達をさらに凍りつかせる声が聞こえた
ココ))「音も声も聞こえない」
音も声も聞こえないって言った直後ココは会議室から出て行った
〈ココ視点〉
ガチャッ
会議室の扉を開けると竜胆が何か言った
竜胆))「ココ·······」
俺には聞こえないから答えることができなかった
ココ))「·········」
ココ))「何も聞こえない」
本当に言っているのかわからない
俺が何も聞こえないと言ったと同時に首領・蘭・鶴蝶が凍りついている
ココ))「音も声も聞こえない」
迷っている場合じゃなかった
何も考えずに会議室のドアを開けて出て行く
スマホを取り出すと千冬にメッセージを送った
ココ))「千冬」
ココ))「何も聞こえないから千冬が何か言っても聞こえない」
ココ))「声だけじゃなくて音も聞こえない」
すぐに千冬から返信がきた
千冬))「突発性難聴じゃないんですか?」
千冬))「突然 片方の耳だけ聞こえなくなるんですが稀に両耳が聞こえなくなることがあるんです」
千冬))「それより······病院には行きました?」
“両耳が聞こえない”のは合っている
難聴になるとは思っていなかった
千冬からのメッセージを読んでいた途中で返信する
ココ))「まだ行ってない」
千冬))「俺もついていきます」
ココ))「何で?」
千冬))「聞こえていないのでは意味がないですよ」
ココ))「それはそうだけど·······」
千冬))「今から行きます」
ココ))「もういるけど?」
千冬))「はい?」
もういるけど?って言ったのは一虎の横でメッセージを送っているのに千冬は気づいていなかった
一虎))「俺の横にいるのに気づかないってどんだけ鈍いんだよ千冬は·······」