今際

今際、忘れられたヒト達の巣窟

海の底から、ヒトは揺らめかないはずの空を眺めていた

別星（アポカリプス）から侵略してきた、星には居なかったはずの生物が地上を侵略し、ヒトは海に適応することを選んだ

ヒトは海底に都市を建設した、｢アトランティス｣とでも言うのだろうか、かつてそう呼ばれていた記憶がある

……たしか、侵略してきた別星の生物は、我々の信仰する｢神｣の加護で姿を成していた

こうやってヒトは海底にたどり着いた、だが我々ヒトは地上で生きていた、本当は澄んだ空気の、海の鏡写しとなった空の下で生きていたかった、

そう、天国でもなんでもない、そんな海底で生きるには問題がありすぎるのだ

百年にわたる星々の争いに生き残ったが、何かに侵食された魚達にヒトは喰われる

そして、侵食された魚（マツロ）は毒を持っている

いつか、確実にだ

いつもと同じように話していた知り合いが何人か話す途中で食われてしまったのを見た

侵食された魚（マツロ）が吐き出した水に触れ、ヒトがもがいて命尽きるところを見た

海底に逃げても尚、私達の生活は追い込まれるばかりだ！

あぁ、そうか

私達は、もう地球の中で最下層の状態で生きているのだ

*かつて最上位の存在として顕現していたヒトは、もう見る影もないのだろう*

*皆、生きることに必死だ、生きていること以外、何も出来ない海底という開拓されなかった境地で生きている*

*私達ヒトは全てにおいて、一番下の場所で生きているのだ*

ヒトは宇宙開拓を進めると、許容できないほどのリスクを同時に抱え込んでしまった！

あぁ神よ、どうか私たちのような哀れなヒトに、救いを与えてはくれないだろうか

海底に生きる｢ヒト｣と呼ばれる生物のデータだ

｢＿おかしいなぁ、ヒトには心なんてないって◢◢◥で言ってたのに…。 ｣