『名前呼んで』
tg視点
あの帰り道の「離れんなよ」が、頭から離れない。
あれ、どういう意味だったんだろう。
――“先輩のモノ”ってそういうこと? それとも……。
次の日、俺は勇気を出して聞こうと思った。
でも教室に行くと、友達がニヤニヤしながら寄ってくる。
「おいちぐさ、昨日ぷりっつ先輩と帰ってたんだろ? なんか雰囲気ヤバかったぞ?」
「マジ? 付き合ってんの?」
「ち、ちがっ……!」
そう言いながらも、胸の奥がざわつく。
――もしそうだったら、嬉しいのに。
放課後。
廊下で先輩を見つけて、駆け寄った。
「先輩っ!」
「おー、ちぐ。今日も尻尾振っとるな」
笑ってるのに、どこかぎこちない。
昨日よりも、少し距離がある気がして。
「……昨日の“離れんなよ”って、どういう意味ですか?」
「ん?」
先輩が少しだけ眉を動かした。
その沈黙が怖くて、つい早口になる。
「俺……先輩に引っ付いてるヤツってだけじゃイヤです」
「……どういうことや」
「ちゃんと、“ちぐさ”って名前で呼んでほしいです」
その瞬間。
先輩の目が、はっきりと俺を捕らえた。
まるで、見透かすように。
「……呼んだら、戻れんかもしれんぞ」
「え?」
「名前で呼んだら、俺……もう普通に先輩ではいられへん」
そう言って、先輩は一歩近づく。
息が触れるほど近い距離。
「……それでも、呼ばれてええんか?」
胸の鼓動が爆音みたいに鳴る。
声が出ない。
そして――先輩の唇が、俺の耳のすぐ近くまで寄って――
「……ち――」
チャイムが鳴った。
校舎中に響く、無情な音。
俺の名前の続きを飲み込んだまま、先輩は静かに離れていった。
書き方替えた‼️
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コメント
6件
見るの遅れちゃった… やっぱり天才すぎる終わり方で続きが気になってしまう…! 楽しみにしてる〜!
ちょ、ここにアインシュタイン並の天才が、! ガチで好き、私にはこんな表現出来ない、w 『先輩じゃなくなる』とかまじで好き、w 続き楽しみにしてますっ!
うわぁぁぁ!!! 書き方変えても最高すぎるぅ! 『ち_』の続きが気になりすぎる!うちだけでいいから教えてくれないかn((( ウソです!!ごめんなさい!!!! 続きも楽しみにしてるぅ!!