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nmmn作品です
ご本人様には関係ありません
僕、風楽奏斗は
渡会雲雀のことが好きだ
いつからか
なんて
分かんない
覚えてもないけど、雲雀のどこかに惹かれて
好きになっていた。
名前から分かるように、雲雀は男
正真正銘のザ・高校生だ。
雲雀はノンケだし、両思いになろうとかそんなの思ってない。
そう、
_______思ってない筈だったのに
『はああああああ…』
ガダン!
という音と共に勢いよく机にうつ伏せになる
カランと氷が揺れた
「アンタ飲み過ぎじゃない?もう帰ったらどうなの?」
『んー…あとちょっと、』
僕は高校を卒業し
今はもう大学生だ
彼女も彼氏もいたことがあるのに
僕が必ず行き着くのは雲雀だけだった。
「アンタ狙ってる男いっぱい居るんだからね〜?」
『へいへーい。気をつけますよーっと』
「はぁ…」
ここはゲイバー
今、目の前にいるのはゲイバーのママ。
勿論性別は男だけど、容姿は凄く綺麗で女の人にも見える不思議な人だ
「で、なんだっけ?ノンケに恋してるんだっけ。もうやめれば?脈なしじゃないの?」
『ウ”ッ…それはそう、』
痛いところを突かれ悲痛な声が漏れる
そうだ、もう4年以上片想いしてるんだ
…そろそろ潮時か。
『…恋人でもつくろーかな…』
「ヤリチンじゃないの。その子にも誤解されるんじゃない?」
『いや、それはない』
だって、雲雀
僕に興味ないし。
彼女作っても
「 へー!そうなんや!めっちゃ美人やん!うらやま!」
みたいな反応だしさ
『……はぁー、、もうやだ』
「新しい恋探しなさいよ。ほら、帰れ」
『えーひどい!』
「金払って帰りなさい!」
「気をつけなさいよ〜」
『はーい、ありがと。大好き♡』
「アンタ タイプじゃないから無理」
『酷!!!!!』
ふざけた会話をしてゲイバーを離れる
肌寒い風が頬を撫でた
雲雀には、僕がゲイなのを言っていない
言う意味もない
言ってもなんの意味もないし
距離取られるぐらいなら言わない方がマシだ
(雲雀、今頃なにしてるのかな)
ふと携帯を見る
真っ暗な画面のまま動かない
『うそ、充電切れ!?…最悪、』
ため息をつき携帯をポケットに戻す。
…あ、そうだった
雲雀飲み会なんだっけ?
今頃雲雀が中心になって盛り上げてるんだろうな、
…女の子とも距離が近くなって、しまいには
付き合ったり、とか
『あ”ー!!!むしゃくしゃする!!!』
雲雀が誰かと付き合うとか僕と関係ないし!てかまず両思いになろうとか思ってないし
_______思って、ないし
『思ってない、はず、だよな…?』
「…あ〜。かなとじゃ〜ん♡」
『ん?』
特有の甘い声
振り返ると、ニコニコと手を振っている彼と目があった。その瞬間腕に抱きつかれる
…えーっと、この人は確か
……元、彼
「元気だったぁ♡?俺は元気だった♡」
『ん。僕も元気だったよ』
「んふ♡そっか、!…あ、そうそう!ノンケの男の子と今どんな感じ?…俺で良ければ抜いてあげたりできるけど♡」
『んー。全然ダメ。抜いてもらうのも遠慮しとくよ』
そう答えると残念そうに「えー」と言い
グイッと体を近づける
この人は本当に距離感がおかしい
こんなんじゃ付き合ってるって誤解され_______
「かな…_______…と?」
『え、』
特有の声がして後ろを振り向く
紫色の髪に
蜂蜜色の瞳
『…ひ、ば……り』
「?誰?その子?……え、もしかして…ノンケの…」
そう言いかけて止まる彼。僕に怪しげな笑みを浮かべる
あ、やばい
「え〜?誰〜♡俺、奏斗の恋人なんだけど♡」
『っ、ちょ!!!!』
「え、?…え、あ、マジ?……奏斗って、そういう…」
_______あぁ、終わった、
雲雀は目を開いて固まっている。
バレた、ゲイってことも、
バレてしまった
ぜんぶ終わりだ、
『……、うん、そうだよ。雲雀には言わないつもりだったけど、僕ゲイなんだ。
でも大丈夫。雲雀はタイプじゃないし、好きじゃないから!友達として、大切に思ってるよ』
次々と言い訳の言葉が出てくる
雲雀はそれを驚いたような表情で聞いていた。
「…ちょっと、その言い方はないんじゃない?」
小声で耳打ちされる
『……』
じゃあなんて言えばよかったんだよ、
安心、してもらうことが一番だし
離れていってほしくない
「…そ、そっか!なんか邪魔してごめんな!俺、全然そんなの偏見ないし、楽しんできてな!…あと彼氏さんも、すんません!」
『え、ちょ…待って、!雲雀!』
雲雀は笑顔でそう言うと
街の中に走り去ってしまった
「…奏斗、流石になくない?」
『っ、はぁ…』
自分が言った言葉が頭の中でリプレイされる
ああ、マジで最悪
ヘタリとその場に座り込む
「…あの子が噂のノンケの子なんだね、…なんていうか…ごめんね?♡」
『別に、…いいよ…』
フラフラとした足取りで立ち上がる
彼に当たっても意味がないだろう
鞄を持ち直し、足を進める
『ごめん。帰る』
「ん…またね〜♡」
『……うん』
全ての元凶はアンタのせいなんだけどね?
心の中で悪態をつきながら
ぶっきらぼうに返事を返した
ガチャッ
『あれ?』
玄関の鍵が開いていて思わず手を止める
きちんと鍵を閉めていたはず
…泥棒?
扉をバン!と開き
視線を落とした。
靴が一個
綺麗に揃えてある
『雲雀!?』
靴を脱ぎ捨てるように脱いで
全速力でリビングに向かった
_______
ガチャッとドアを開けると
ソファに座っている雲雀の後ろ姿があった
ビクリと肩が震え、雲雀の綺麗な瞳と目があった
「…えと、ごめん。家行くって連絡したんやけど既読つかんくて、
心配になって街まで探しに行ったんだけど、
…彼氏さんといたの、知らんかった」
邪魔してごめんな!
といつもと変わらない笑顔で笑った
この行動一つ一つが
脈なしだと言うことを突きつけてくる
_______やっぱ辛いな
『…いや、全然大丈夫。あとあれ元彼だから。気にしないで』
「あ、そうなんね!…めっちゃ綺麗な人やったな…!」
奏斗はあーいうのがタイプなのかー!
と笑顔で言う雲雀
『んー…、まあ、そうだね…』
萎え切らない返事で笑う
あの人と付き合ったのは
ただの遊びだ。
相手も僕を遊びだと思ってたし
そこになんの感情もない
…僕の心はずっと雲雀だけなのに
「…そっか、やっぱり俺と全然ちがうじゃん!」
『え?…あ、そう、だね』
「やっぱ、俺みたいな奴ってさ、ガキ臭くて嫌い?…馬鹿だし、タイプじゃない?」
『…え?』
「あんな綺麗な人になれるわけないもんな、…てか!酷くない!?タイプじゃないとか!……ちょっと傷ついた!」
『…ん、?…え、いや…え?』
「まー、俺の事眼中にないのは分かってたけどさ、…でも、あれはさ、結構…きたっていうか_______」
『ちょっと待って!』
雲雀の話を遮り口を塞ぐ
いや、だってさ、…いや、あり得ないって、
うん、そうだよ
雲雀はただの気の迷いで、
だって、いや、だってさ、
雲雀はノンケで、ゲイの僕なんか好きじゃないはず
「…ぁ、…ご、…めん。…あ、は…ちょっと頭冷やしてくるわ!」
雲雀は僕の話も聞かずに
横を通り過ぎる
『ッ…だから待って!』
雲雀の腕をガッシリと掴む
雲雀の動きがピシリと止まる
『ちょっと、整理させてほしいっていうか…逃げないで』
そう言うと
雲雀から微かに声が聞こえた
肩も小刻みに震えている
_______、泣いてる?
そう頭が認識した途端に
僕の腕は勝手に動き
雲雀の肩を掴み、向かい合わせになるような形で雲雀の顔を見た
ポタポタとフローリングに涙が落ちる
そう、紛れもなく雲雀の目から涙が落ちていた
ポロポロと涙が溢れている
「…ッ…ごめん、…泣くつもりは、なかったんよ、…ほんとに、ッ…が、眼中にないって…わかッたら、きゅ、に悲しくなって、」
『え?…え、?』
「タ、ッ…、タ、イプじゃないって、…い、ッわ、れて…好き、でもないって、いわ、れたからッ…あ、きらめよ…と、おもっ、てたん、だけどッ…」
「かな、とにあいたッ、くて、…きた、ッ…ご、めん。……はは、俺、なに言ってんだろ、…馬鹿みたい、」
そう言って乱暴に目を擦る雲雀を
見つめる
え、…まって、
それってさ、
『僕のこと…好きなの?』
そう言うと
肩を震わせ
みるみる雲雀の顔が青くなっていくのに気づいた。
「…ご、めん…ごめんッ、!か、かなとは俺の事好きじゃないのに…ッ、き、きもいよな、ごめん…ッ、ごめん、」
雲雀は「ごめん」と何回も呟き
目に涙を溜めている
『…雲雀!落ち着いて…ッ!』
「お、ちつける訳ないじゃんッ!…ふ、られたんだよ、?…も、俺…感情ぐちゃぐちゃで、冷静になれん…今は、ほんとに、無理」
そう言って下を向く雲雀
雲雀の手はすがるように僕の裾を掴んでいた。
その手は震えている
どんどんと自分の感情がぐちゃぐちゃになっていくのを感じる
嬉しい 悲しい 優越感 可愛い 罪悪感 襲いたい 俺のものにしたい ドロドロにしたい
そんな感情が僕の頭の中に渦巻いている
ダメだ、ここで襲ったら、俺は
ただのレイプ野郎だ
「……抱いてよ、」
『は?』
あまりに素っ頓狂な声が口から飛び出る
「…お願い、…もう、会えないくらいならさ、抱いてよ、…俺のこと、…ぐちゃぐちゃにして、」
『_______ッ』
ダメだ、絶対ダメ
ちゃんと気持ちを伝えて、ちゃんと誤解を解いて
ちゃんとッ
_______ちゃんと、
「お願い、…かなと…ッ」
『_______』
そう言う雲雀の声と共に
僕のなにかが壊れる音がした
「あ”ッ♡…んあ”ッ、ふか、ッ…ふかぃッ!!む、…ぅあッ♡♡♡♡」
『…しまる、…っ』
肌と肌のぶつかる音
ゴリュッという音と共に雲雀の腰がビクンとのけぞり
甘い吐息と掠れた声が雲雀の口から漏れた
その声にまた僕の理性が動かされる
「ぁ”あッ♡…むり、ッあ”ッ♡♡♡♡ぅあ”、むりぃ”…むりッ、う”ひゃあッ!?…み、みみ…だ、め…ぁッ♡かな、と…だ、め!♡」
耳を舐めると、目をぎゅっと瞑り快楽から逃げるようにのけぞる雲雀
中がうねるのを感じて息が荒くなる
ダメだ、エロすぎる
雲雀の性器に手を伸ばし
グリッと先っぽを握ると悲鳴に近い声が聞こえた
「ん”ああッ!?♡…は、ッむ、り!!まじ、で…ッ♡い”ッ…い、くッ…あッ、あぁッ♡〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!♡♡♡♡」
『ぅッ…は、ぁ……っ』
ビュルッ
雲雀の性器から勢いよく精子が飛び出る
それと同時に雲雀も体力が尽きたのか
ポスンとベットに倒れ込んだ
僕も雲雀と肌が触れ合うくらいの距離で横になると
潤んだままのうっすら汗をかいた雲雀と目があった。
その瞳はどこか悲しげに揺れ
ふわりと微笑んだ。
「…ッ、は、ぁ…は、……かな、と…、すき、だい、すき…」
掠れた声でそう呟く雲雀を
抱きしめる
『…雲雀、僕も好き。…嘘じゃない、…ほんとだから。』
「…ん、ぇ?…ま、…じ、で?嘘、じゃない?」
『うん。好きだよ。大好き』
そう言って唇にキスをした瞬間
また雲雀の目から涙がポロポロとこぼれ落ちる
それを慰めるようにまたキスをすると雲雀の方から舌を絡められた
唾液が混ざり合って音を立てる
「…ん、ふ…ぅ、ッ、ぁ…ッ、んぅ」
『ふ、…ん、…ぅ、』
最後に軽く口づけをして唇を離すと
どこか物足りない顔をした雲雀と目があった
その瞳はどこかしら熱を含んでいる
「…かな、と…もっと、」
『…んは、……もちろん、』
僕たちの夜はまだまだ長いようだ。