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『痛みを負った心には愛の癒しを』〜愛情は特効薬〜
第5錠 甘いお菓子で親近感
『世の中には胸糞悪ぃことをするやつがいるんだな。』
『…左手首の傷っていうのは自傷した後っすか?』
『はい。』
(俺と同じ…っ。)
『主様と初めて会う執事は気を付けて接してください。刺激を与えてはいけませんよ。』
『はい、分かりました。ベリアンさん。』
『俺たちの主様ですから、いつも通り接します。』
『ふふ、僕は主様と会えるの楽しみ!』
(僕と話があるかもしれない。)
『えぇ。ルカスさんの言う通りの人だと聞いています。』
『ラト君、怖がらせてはいけないよ?』
『えぇ。分かってます。』
(私と似た人でしょうか…。)
『上手く話せるかな…。』
『どんな人かなぁ主様は。』
『ハナマルさんは怖い人なのでダメですよ。』
『そんなことなくない!?』
『あはは…っ。』
(俺と同じ悩みを持つ人かな…?)
翌朝。
『お腹空いたな...。』
『主様。』
廊下を歩いていたら後ろから声をかけられる。
『!』
『初めまして、俺はハウレスと申します。良ければ…お菓子を食べませんか?』
『お菓子...』
『甘いお菓子は好きですか?クッキーにマフィン...色んなものがありますよ。』
『甘いもの…好きなの?』
『えぇ。俺が一番好きなのはバナナマフィンなんです。』
『私も、マフィンは好き。甘くて美味しいから…』
『それは良かったです、俺と一緒に食べませんか?』
『うん!』
俺は主様と一緒にコンサバトリーへ向かう。
『サクッ。もぐっ。 美味しい...。』
『良かったです。主様とこうしてお菓子を食べられて。』
『私も嬉しい。こうやって誰かとお菓子を食べたりするの久しぶりだから。』
『……。』
(どことなくまだ悲しい目をしている。
俺が少しでも和らげられればいいんだが…。)
『主様。』
『?』
俺は主様の目を真っ直ぐ見つめる。
『どうしたの?』
『俺が必ず貴方を守りますから。俺のこと…信じて大丈夫ですからね。』
『ハウレス…。うん。ありがとう。』
私はニコッと微笑む。
『ほっ…』
(良かった、少し緊張がほぐれたみたいだな。)
『…ところでハウレス、このコンサバトリー?のお花は一体誰が育ててるの?凄い甘い香りで落ち着く…』
『あぁ、それはですね…。この屋敷の庭の設備担当のアモン・リードという執事です。』
『お花が好きなんだね…その執事。』
(とても綺麗に手入れされてて…。お花が好きって気持ちが伝わってくる。)
『会ってみたいな…。』
『呼んだっすか?主様。』
『え?』
その時コンサバトリーに人が入ってくる。
『初めまして、主様。』
次回
第6錠 薔薇より綺麗な貴方へ