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本気にさせたい恋

177 - 第177話  変わった日常と変わらない愛情④

♥

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2024年10月26日

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「透子はオレの奧さんなんだから、もう誰にも遠慮する必要ないんだよ?」


もう何も気にせずいれば大丈夫なのに。

オレを独り占め出来るのは透子だけなのに。


「奥さんの我儘なら喜んで聞くよ? いいよ? もっとオレに我儘言っても。もっとオレのこと好きになってよ。もっとオレを頼ってよ」


透子の我儘なんてただ可愛いだけ、ただ愛しいだけ。

透子の我儘なんて、きっと何一つ困ることなんてない。

オレはもっともっとその気持ちを伝えてほしい。

結婚したからこそ、もっとオレを頼って求めてほしい。


「これ以上好きになったらしんどいもん・・・」


うわっ・・・今のはヤバいでしょ・・・。

何それ、なんなの、その無意識な破壊力。


「透子。そんなん言われてオレにはもう嬉しさと可愛さでしかなくて、たまんないんですけど」


そんなん言われたら逆効果。

オレは逆に結婚したからもっと透子を求める気持ちが強くなって、ホントはいつでもどこでも透子と一緒にいたいし求めていたい。

だから実際仕事で忙しくなって、そのオレの大きすぎる想いをぶつけなくて済んでるから、ちょっと自分で安心してるっていうのもあって。

オレはその想いを今以上ぶつけたら、透子に引かれないか嫌がれないかって、ホントはビビってるのに。


「もっと言ってよ。透子の素直な気持ち」


だけど、透子もオレと同じようにオレを求めてくれているのだとしたら・・・。


もう遠慮はしない。


「もっと、って・・・」

「少しくらい我儘になってくれた方がいいよ。透子は」


ホントの気持ち聞かせてほしい。


「そういうの好きじゃないし・・・」


透子はまだ何を遠慮してるの?

何を透子を引き止めているの?


「透子。我慢しないことは、我儘なんかじゃないんだよ?」

「え・・・?」

「オレはさ。透子に我慢してほしいワケじゃない。不安でも心配でもなんでもいいから話してほしい。それは決して我儘なんかじゃないから」


透子がオレを好きになればなるほどオレは嬉しい。

どれだけ透子がその想いが大きくなっても、それで我儘を言ってもオレはきっとどんな透子でも愛しい。

オレのことでも仕事のことでも、なんでも不安に思ってることがあるなら、なんでもオレに伝えてほしい。


「我慢してたワケじゃないけど・・・。でも、私もちゃんと樹とはなんでも話したい。仕事のことだってそうじゃないことだって、私も樹のことちゃんと知っておきたいし、力になりたい」

「えっ? オレ?」

「うん。今、樹、仕事もいろいろ抱えて大変そうだし、少し前まではその話もしてくれたのに、最近は話してくれなくなって・・・。今抱えてる案件は絶対いいモノにしたいからって言ってたのに、それ取り組み始めてから樹、私には関わらせようとしないし・・・。どうしても成功させたいって樹言ってたから、私も今の立場ならいろいろアドバイス乗れるかもしれないから相談してほいのに・・・。仕事でだって今なら樹の力になれると思う」


透子の心配をしてたら、まさかのオレの心配をしてくれている透子。

今のオレは透子にはそんな風に映っているんだ・・・。


「そっか。透子、そんな心配してくれてたんだ」

「樹。その急ぎの案件大切みたいだし、楽しいから大丈夫って言ってたから、しばらくは気にしないようにしてた。だけど、ここ最近は帰って来るのも遅いのに、帰って来てからもずっと仕事してて、あんまり寝てないみたいだし・・・」


それは透子に内緒にしていたある秘密の計画で。

オレはそれを楽しんで計画していて寝る間もおしむほど時間を費やしていたけど。

事情を知らない透子には、ただオレの忙しさが目について、本気で心配させてしまっていた。

そんな意味のない心配をさせたことは申し訳なく思うけど。

でもオレの知らない時も、そうやってオレを想って心配してくれていたことがホントに嬉しい。


「そんなに透子の頭の中、オレのことでいっぱいになってくれてたんだ?」


だからついオレは嬉しくなってニヤけながら透子をからかってしまう。


「でも。透子そういう意味で心配させてるとは思ってなかった。でもようやく準備出来たからもう大丈夫」


だけど透子が本気で心配してくれるのもわかって、すぐに安心してもらえる言葉をかける。


「そっか。やっぱりもう私必要なかったか・・・」


すると透子は少し自信無さげな反応をする。


「透子は必要だよ」

「えっ? もう大丈夫って」

「うん。でも透子はいてくれなきゃ困るんだよね」


だけどようやくその計画を実行出来るオレにとっては、今のそんな透子の反応もただ可愛く思えてしまう。


「ん? どういうこと?」


当然透子は結局オレから何の説明もなく事情がわからないままで、微妙な反応を示す。


「あのさ。透子」

「何?」

「明日の休みさ。ちょっと連れて行きたいとこあるんだよね」

「明日?」

「そう。天気も良さそうだしさ。久々にドライブデートしようよ」

「うん・・・。それは嬉しいけど・・・」


そしてオレはさりげなく透子を久々のデートに誘う。


「連れて行きたいとこってどこ?」

「ん? まぁ明日のお楽しみかな」

「教えてくれないの?」

「透子も明日何が起こるかわからない方がワクワクしない?」

「まぁ。それはそうだけど・・・」

「じゃあ決まり。明日はとびきりの日にするから期待しててよ」

「うん・・・わかった」


ごめんね透子。

今はまだどこに連れて行くかは言えないけど。

でも、透子の今感じている不安も心配も、明日で全部吹き飛ばしてみせるから。


透子にとってもオレにとってもきっととびきり幸せな日。

今までの透子への想いを今の想いを明日目一杯伝えるから楽しみにしてて。



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