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さらに数日が経過した。
「ふぅ~。今日も良いトレーニングができたな」
「はい、そうですね。龍様」
グラウンド横のベンチで仰向けになった龍之介が言った。
そんな龍之介を、ミオが嬉しそうに見下ろしている。
2人とも上半身は裸であり、汗ばんで肌が艶めかしく光っているのが見えた。
「ミオの適応力は凄いな。まさか、あの球をホームランにされるとは思っていなかった」
「あ、あれはまぐれ当たりですよ! 私なんかが、龍様のボールを打ってしまってすみません!!」
龍之介の何気ない言葉に、ミオが頭を下げる。
今日の練習で、ミオは龍之介の球を遠くまでかっ飛ばしたのだ。
「いや、まぐれなんかじゃないさ。いい当たりも増えてきた。パワーが優れているのは言うまでもないが、ミートもミオの方が上なんじゃないか? やっぱり、身体能力が高いと覚えるのも早いんだな」
「そ、そんなことないですよ! これも全て、龍様のおかげです!!」
龍之介の言葉に、ミオは謙遜しつつ答える。
実際のところ、龍之介の指導力は優れている。
それと同時に、ミオの身体能力もかなりのものだ。
それらが合わさり、短期間で驚くべき速度で技術が上達した。
「ま、俺もまだまだ勘を取り戻していくつもりだけどな。――さて、俺たちは能力が上がった実感を持っている。ロボ1号、俺の成長を言葉で表現してみてくれないか? そして、現状の能力も」
『ピピッ。承知しました。スキャンを始めます……』
龍之介から指示を受けたロボ1号が、2人の体をスキャンしていく。
そして、その結果を発表した。
『龍之介の最高球速が上がった』
『龍之介の制球力が上がった』
『龍之介の変化球が上がった』
『龍之介のミートが上がった』
『龍之介のパワーが上がった』
「ふむ……。俺の実感とも合致するな」
龍之介は、ロボ1号の言葉に満足げに頷く。
そして、続けて報告された現状の能力を脳内の情報と合わせ、整理していく。
ロボの報告を元に整理しているだけで、最終的にはあくまで龍之介が認識しているデータ表である。
<個人データ>
龍之介
右投げ左打ち
ポジション:投手
最高球速110km 制球力F 持久力F 変化球F
ミートE パワーC 走塁力G 送球力G 守備力G
【煩悩の力】チームメイトに女子選手がいると能力アップ
【積極恋愛】恋愛に積極的になる
【夜の帝王】前*やセ**スの才能がある
【愛情クロストレーニング・ミオ】全*で愛*されながら筋トレをするとパワーアップ
ミオ
右投げ右打ち
ポジション:一塁手
本職:ウェイトリフティング部
ミートD パワーB 走塁力D 送球力C 守備力G
【忠誠の力】チームメイトに龍之介がいると能力アップ
【積極打法】積極的にスイングする
【愛情クロストレーニング・龍之介】全*で愛*されながら筋トレをするとパワーアップ
<ロボデータ>
ロボ0号 ミートF パワーF 走塁力G 送球力G 守備力G
ロボ1号 ミートF パワーG 走塁力F 送球力G 守備力G
ロボ2号 ミートF パワーG 走塁力G 送球力F 守備力G
ロボ3号 ミートF パワーG 走塁力G 送球力G 守備力F
ロボ4号 ミートG パワーF 走塁力F 送球力G 守備力G
ロボ5号 ミートG パワーF 走塁力G 送球力F 守備力G
ロボ6号 ミートG パワーF 走塁力G 送球力G 守備力F
ロボ7号 ミートG パワーG 走塁力F 送球力F 守備力G
ロボ8号 ミートG パワーG 走塁力F 送球力G 守備力F
ロボ9号 ミートG パワーG 走塁力G 送球力F 守備力F
<ベストオーダー>
1番右・ロボ1・FGFGG
2番一・ミ オ・DBDCG
3番投・龍之介・ECGGG
4番左・ロボ0・FFGGG
5番二・ロボ4・GFFGG
6番三・ロボ5・GFGFG
7番中・ロボ8・GGFGF
8番遊・ロボ7・GGFFG
9番捕・ロボ9・GGGFF
投手・龍之介
最高球速110km 制球力F 持久力F 変化球F
ベンチ
ロボ2、ロボ3、ロボ6
チーム全体評価
打撃F 走塁F 守備G 投手F 控え選手G 総合力F
「やっぱりそうだよな。ミオのパワーは凄まじい。それでいて、バッティングセンスもある」
「ありがとうございます!!」
「これは、俺の予想以上だ。足も速いし肩も強い。もちろん、スイングパワーはそれ以上。ミオは、最高のスラッガーになれる素質があるぞ」
「そ、そんな! 私が最高のスラッガーだなんて!!」
龍之介の賞賛の言葉に、ミオは謙遜しつつも喜ぶ。
そんな彼女はどこか誇らしげだった。
「課題はグラブ捌きだな。バットコントロールや送球精度は悪くないのだが、いかんせんグラブ捌きが下手だ」
「そ、それは……。申し訳ありません……!」
龍之介の言葉に、ミオは申し訳なさそうに俯いた。
まぁ、野球経験が全くないのでそれも仕方のない話ではあるのだが。
「いや、責めているわけじゃないんだ。それに、守備が下手くそなのは俺も同じだしな」
龍之介は、自嘲気味に言った。
彼は中学時代の覇者だ。
しかし、エロパワーが足りない今、素人に近い野球能力になっている。
ミオが加入したおかげで諸々の野球能力が上がったものの、守備力に関してはいまだG評価のままである。
彼女の守備能力を責めることはできない。
あくまで事実を指摘しているだけだ。
龍之介はミオと共に、チームの今後を考えていくのだった。