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『寝落ちすんなよ、可愛すぎるから。』
li視点
ロゼの家で映画を見よった夜。
ソファに並んで座って、ポップコーンつまみながらのんびりしとった。
――はずやった。
「……ん……」
気づけば俺は、ロゼの肩にもたれとった。
しかも、完全に寝落ち。
自分では気づかんけど、呼吸もすーすー言いよるらしい。
ロゼは映画を止めて、
寝とる俺の顔をじーっと見下ろした。
「……可愛いレベル通り越して、反則じゃない?」
らしい。
そのまま俺の頬を指でつついてきた。
「らいと、起きてる?……絶対起きてないよね。」
指でほっぺ押されても、俺は寝たまま“むにっ”てなるだけ。
ロゼはくすっと笑って、
「寝顔、俺しか見ちゃダメ。」
と、小声で言った。
そして――
ひょいっ。
ロゼが俺を抱きかかえた。
「……お、おいっ……」
寝ぼけ声で反応してしまった俺。
「起きた?」
「……ねむっ…ちかぁ…ロゼ……なんしよると……」
「ベッド行くよ。ソファじゃ風邪ひくから。」
「べ、べっ……!?よかって!自分で歩くけん!!」
「歩けてないよ。ほら、力抜けてる。」
ロゼの腕の中で、俺はぐにゃっとしてしまう。
悔しいけど、眠気が勝っとる。
「……恥ずかしか……」
「大丈夫。俺しか見てないから。」
「それが恥ずかしいと……」
ロゼは笑って、俺をそっとベッドに降ろす。
布団をかけて、髪を撫でる。
「らいとってさ。」
「……ん……」
「俺の前だと、めちゃくちゃ無防備になるよね。」
「……む、無防備やないし……」
「寝顔見せてる時点で無防備。」
「……んん……知らん……」
眠くて反論になってない俺に、
ロゼはさらに上から布団を直してくる。
その手つきが優しすぎて、胸がきゅーってなる。
「らいと。」
「……なに……」
「寝てる時まで可愛いの、どうにかして。」
「し、知らん……寝とるときぐらい自由にさせて……」
「自由にしたら、俺が気持ち持ってかれる。」
「……もう、寝るけん……」
「うん。寝て。」
ロゼは電気を暗くして、
最後に俺の額にちょんっと軽く触れた。
「おやすみ、らいと。」
「……ん……おやすみ、ロゼ……」
寝落ちした俺は知らんとけど、
ロゼはしばらく俺の寝顔見て微笑んでたらしい。
「ほんと、可愛すぎて困る。」
って、ひとりごとまで言いながら。