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「あぁ、それはね、詳しく教えてあげる。まず、この列車は人間界と天界を繋ぐ役目があるんだ。」
「人間界?天界?何それ。」
「簡単に言えばこの世とあの世ってとこかな。」
「なるほど。」
「この列車に乗るのは、みんな死んだ人。カラダから抜けた魂を迎えに行って、天界に連れて行ってあげるんだ。」
「ってことは今周りにいる人たちはみんな死んだ人?
「うん、そういうことになるね。」
「そっかぁ…。」
パチ…
ん?なに、この音…
パチパチパチ…
「…えぇっ⁉︎なに⁉︎なにこれ⁉︎皮膚が…どんどん無くなっていく…⁉︎嘘、なんなのこれ⁉︎」
「あっ!それはマズイ!ちょっとまって、…あった!はい!これ食べて!早く!治るから!」
「わ、わかった!いただきます!パク」
ピカッ シュー
「あ…元通りになった…。よかったぁ。」
「ふぅ、危機一髪!危なかったねー。」
「ねぇ、今のなんだったの?なんか知ってるでしょ?絶対。」
「ごめんごめん、忘れてたよ。生者が死者にふれあうと、消滅しちゃうんだった!今の天使の実は、それに効果があるんだ!」
「ちょっと、それ早く言ってよね!」
「へっへへー!」
それにしても、夜空、綺麗だな〜。夢みたい。
「…ん?まてよ。この夜空からどうやって天界に行くんだ?そもそも天界ってどこにあるの⁉︎」
「心の声ダダ漏れだよー。あ、そういえば名前聞いてなかったね!なんて言うの?」
「私?私は出月楽々。改めてよろしくね、ゆらぎくん。」
「…そっ、か。よろしくね。楽々。」
「うん!」
「そろそろ着く?」
「そうだね。もうすぐだよ。あ、アナウンスしなきゃ。ちょっと静かにしててね。」
(マイクを取り出す)
「皆さま、本日は特急リリアンにご乗車いただき、誠にありがとうございます。まもなく、天界、天界です。
お降りの方は準備をお願いします。」
「おぉー、すごい。声変わってる!」
「ふっふん。そりゃあ、運転士歴3年ですから。あっ、ほら。天界が見えるよ!」
「わぁ…!」
(大きな湖、虹、休憩所、店、バカデカい木、広がる草原、綺麗な青空)
「これが天界?思ってたよりすっごくキレイ!」
「でしょ?ここからの景色、お気に入りなんだ!」
プシュー
「皆さま、只今特急リリアンは天界に到着致しました。お気をつけてお降り下さい。検討を祈っております。
ご乗車ありがとうございました。」
「みんな降りてった!」
「うん。俺たちも降りよっか。天界観光しよう!」
見てくれてありがとう!
観光いいな〜。じゃあね!