テラーノベル
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後半から性描写あり、18禁
「あ”ッ、ぅ゙……ごほッ……」
喉の奥底に溜まった血反吐が無情なコンクリートの床へとぼたぼた垂れていく。息を吸おうにも、喉がヒューヒューと鳴るだけで、ちゃんと酸素を吸い込めているのか分からなかった。
暴行が始まってからどれほどの時間が経過したのだろうか。殴られては、蹴られ、蹴られては殴られの繰り返しで、体は限界を迎えていた。
周りの床はあんなに灰色を帯びていたのに、今は、見る影もなく、紅く染まっている。
「……あーもう、 いつになったら吐くわけ? もう限界でしょ、大人しく言っちゃえばいいのにさぁ…」
「はっ……ぅ゙ッ……さっきから言ってんだろ”ッ。吐くわけねぇんだよ、諦めろ」
ギロリと睨みつけて反抗する。相手の眉間にシワが寄っていることに気付き、至って平然かのように嘲笑する。
「はぁ、ほんと……めんどくさいね、君。いいよ、暴力でもダメなら、他のことにしよっか」
「はぁ? 他のことでも、俺は吐かねぇよ。もういい加減諦めろって!!」
「あーうるさ……準備してくるから大人しくしといてね。逃げ出そうとか思うなよ、痛い目に遭わせるから」
そう言うと、そいつは扉から出ていく。
その後ろをこっそりついていこうと思い、立ち上がった途端、無機質な部屋にガチャリと鍵が閉まる音が響いた。
「マジか……鍵掛けんなよ……」
そうして、唯一の希望が崩れていく音が聞こえた。さて、どうしたものか。ここから逃げられもしないし、ついにはこの組織のボスも来てしまった。今思えば、絶体絶命の状況に陥っている。
「あ”ー……なんか、ねぇかなぁ」
腹を中心とした体の痛みを我慢してよろりと立ち上がる。なにか脱出の糸口がないかを探すために、暗然たるこの部屋を歩き始めた。
ふらふらと歩き始めて数分が経過した頃には、なにも手掛かりがないことに気付いてしまう。だが、正直なところ、あまり期待はしていなかった。ここには鉄格子に囲われた窓も、トイレも、ベッドもない。ただ存在するのは、重そうな扉と自分に繋がれた鎖だけ。
そんな殺風景のどこで糸口を見つけられるのか。
「はぁ……くそッ……」
微塵も期待していなかった、と言ったら流石に嘘ではあるけど。それでもこんなところに手蔓があるわけない。どさりと座り込んで思い耽る。
手は鎖で繋がれていてあの鉄の扉には届かなそうだ。到底逃げられそうにない。今は諦めるしかないのか。
そう考えていると、ギィ、と重々しい音を立てて扉が開いた。あいつが帰ってきたのだと感じ取る。ふと視線を向けると手になにかを持っているようだった。
「……ふーん。逃げ出さなかったんだ? 君、意外と良い子じゃん」
「…………」
そんな言葉に目を逸らして無言を貫く。
逃げ出さなかったんだ、じゃねぇよ。お前が逃さないようにしてるくせに。
そんな俺の様子を見たのか、再度、そいつは微笑んで口を開く。
「無視? ひどいなぁ」
「……うるさ」
その発言を聞き、今度は咎めるような視線を投げつけた。
「あはは、ごめんごめん。んじゃあ、早速、情報……吐いてもらおうか? シャークん」
そう言うと、そいつは目を細め、手で隠していたものを俺の前へと曝け出した。
「……は? え、おま、は?」
嫌なものを思い浮かべるような形の、長い、黒色のなにか。
「…………なにこれ」
「あぁ、もしかして知らない? 知ってそうだなって思ったんだけど」
「ぅ……いや……見たことはある、けど」
見たことがあるのは紛れもない事実だ。仕事上、任務によっては女の人とそういうコトだってしなければならないときが来る。そんなときに、一度くらい使った記憶があるような気がする。
だけど、それは女の人に、だから。女の人がいない状況で、ましてや男二人の状況で、何故持ってくるのか。
「なんで今持ってくんだよ、意味なくね」
「あるに決まってるよ、だから持ってきたんだけど」
「は? だって、それ……女の人に使うもんだろ。今の状況でなにに使うんだよ!」
「あぁ……使うのは女の人だけだと思ってるの?」
「まぁ、うん。実際そうだろ」
「……あははっ!! そこまでとは思わなかったなぁ。あのさ、君にも挿れる穴はあるでしょ。ねぇ? シャークん、これは君に使うんだよ。分かる?」
「…………は??」
理解が追いつかない。なにを言っているんだこいつは、と強く思う。
「んじゃ、ちょっと失礼」
そう言ってしゃがんだかと思うと、そいつは履いていたズボンをずるりと脱がしてくる。脱ぎにくいスーツに加えて、こちらは地に座り込んでいるという体勢のはずなのに。いとも容易く服を剥ぎ取られる。
「はぁ!? は、おい、やめろよッ……!」
足をバタバタさせて些細な抵抗をしてみるが、やはりそいつは止まる気がしない。ついにズボンを完全に剥ぎ取られると、今度は下着に手をかけられた。
「は?」
自身の貞操が危機に瀕していると本能で感じ取った。それは非常にマズい。そう思い、相手の腹に思いっきり蹴りを食らわす。すると、そいつはうめき声を上げて後ろに倒れ込んだ。
「い”ッ!! たッ…………」
「ふはっ、ざまーみろ」
吐き捨てるようにそう言葉を投げかける。ふいと顔を背ければ、突然、浮遊感を感じ、背中に激痛が走った。
「……ぁ!? ゔッ、いって”ぇ!!」
何事かと思い、ぱっと前を向くと、なぜだか、先程まで倒れ込んでいた奴を見ていたはずなのに、今は天井を見ている。状況を把握できずに困惑していれば、額にカチャリと音を立てて銃口が向けられた。
その音に背筋が寒くなる。
「ッ……」
ぱちりと一瞬の瞬きをすれば、今度は、眉を顰めたあいつの顔が俺を覗き込んでいた。そして、闇がとぐろを巻く、伽藍堂のその青藍色の瞳で、じっと睨んでくる。
「はぁ……無駄に抵抗しないでくんない? 次、抵抗したらお前の頭ぶち抜くから」
その言葉で、瞬く間に空気が緊張をはらむ。身体が一瞬で恐怖に支配され、動かない。
「うん、それでいいんだよ、そのまま大人しくしといてね」
そう言われると、にっこりと微笑まれた。その表情さえも、今の俺にはただの恐怖に感じる。そうこうしているうちに、最後の砦だった下着すら脱がされ、下半身が冷ややかな空気に晒された。
脱がされ、脅され、晒され。もう散々だった。けれども、この状況は止まることを知らない。そんな絶望に少々陥っていると、今度は下半身に手が伸びてくる。
ひどく萎れた己のそれをそいつはゆっくりと擦り上げた。時間をかけてそこを上下に扱き続けても、意味を成していない。
「っ…………」
「あー、さすがに勃たないかぁ……」
鼻で笑われながら、どこか残念そうに、そう言葉が放たれた。その言葉に顔を顰める。逆に、この状況で興奮する奴がいるのかどうか、聞きたいところだ。
そう思っていると、足を上げられる。そして、ふと後ろの穴が違和感を拾い取った。それは、ふにふに、と柔らかく丁寧に触られているような、なんとも気色悪い感覚だった。
なんだと思い、少し体を起き上がらせる。すると、すぐに、違和感の正体はあいつであることに気付いた。
「はぁ!? お、お前なにしてんだよ……!」
「ん? 見れば分かるでしょ、解してんの」
「そこをかよ!? 汚ねぇからやめろ!」
「無理、ここ以外なにがあんの。てか、一回、口開けてくんない?」
そう促され、眉を寄せる。その促しに抵抗しようか、と逡巡した。だが、先程の警告をよくよく思い出し、大人しく口を開ける。
「……ふふ、良い子。んじゃあ、これ舐めて」
「ぅ、えッ…………」
突如出てきたそれに戸惑いを隠せず、思わず口を閉じてしまった。目の前に出されたのは、数十分前に見た、黒々と照らされた玩具。その形は、嫌ななにかを思い出すような形を形どっていた。
……流石に、嫌だ。そう思い、拒絶を口に紡ごうとする。
「いや、無理だ──」
「安心して、消毒してあるから」
しかし、その言葉は見事に遮られてしまった。そういう意味じゃない。そこを気にしているわけじゃない。次はそう言おうとしたが、こちらをじっと見下すその目についに耐え切れず、再度口を開ける。 そして、目を瞑り、目の前に差し出された玩具を口内に入れ、舌を這わした。
舌を擦り付けてから少し経つと、ようやくそれが口の中から出された。ほんと最悪だ。
「……ん、良い子じゃん」
その言辞に合わせるかのように、閉じていた瞼をそろりと開ける。目先にあるその玩具は、己の唾液によって一層てらてらと黒々に光っていた。
少々興味深いそれをじっと凝視していると、ふはっ、と漏れ出た笑い声が聞こえた。考えなくても分かった、どうせあいつだ。
「あはは、ごめん、面白くて。挿れるから力抜いて」
その言葉に倣って、胸を上下させて深呼吸を行う。もうここまで来たのなら大人しく従うしかない。そう思い、心を落ち着かせていると、ずぷずぷと異物がナカに入ってくる感覚がする。
「う”ぅッ……あ”……ふッ…………」
なんだこれ。苦しい。苦しい。苦しい。ただただそう感じるだけだった。腹の中が異物で埋まっていて、気持ち悪い。
「ふふ、全部入ったよ」
そうしていると、ようやくすべてが腹の中におさまったようだった。
「う”ッ……あ”っ……?」
「今は気持ち悪いと思うけど気持ち良くなるから大丈夫。それまで頑張って、シャークん」
気持ち良くなるってなんだよ。
そう言葉を話そうとするが、腹の息苦しさでなかなか思うように話すことができない。なにか喋ろうとしても、まだこの感覚に慣れず、ただ口をはくはくと動かすだけだった。
「あはは。喋れないか。じゃあ、またね」
そいつはそう微笑みながら言うと、重々しい鉄製の扉から出ていった。それを見て、ふぅ、と大きく一息をつく。やっと平穏な一人の時間が訪れた、そう強く思った。けれども、それは束の間だった。
「ぅあ”っ……!?」
突如、ナカの玩具が振動するのを感じ取ったのだ。異物が音を立てて俺のナカを暴れ回っていく。
「マジ、かよぉッ……!」
気持ち良くなるってそういうことかよ。あいつ!! そう気付いたときには、もうすべてが遅かった。
──
続
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