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「“終わり”にするには……まだ、惜しいと思ってしまった」ヴィクトールの低く、想いを込めた声が書斎に響いた直後――
「はいはーい!!!リッヒー聞いちゃいました〜〜!!!」
「「あっ」」
ハイネとヴィクトール、同時に振り返る。
そこには、ドアの隙間から顔を出すリヒト。
「いや〜、ほんと偶然なんですけどぉ!なんか〜? 超!いい雰囲気じゃ〜ん?」
「……何をどこまで聞いた?」
ヴィクトールの声、ちょっと低い。
「え〜全部っ☆」
ニッコニコ。空気は読まない。
「ていうかこれさ〜、いっそ王室発表しちゃお? “国王と教師の愛”って!なんか文学っぽくてウケない?」
「リヒト王子、冗談はやめてください。大問題になります」
ハイネ、真顔。たぶん鼓動は早い。
「え、じゃあさ!いっそ隠し部屋とか作っちゃえば?2人きり用の!ねっ!!」
「リヒト、出ていきなさい」
「え〜〜ん怒られた〜〜〜!!でも顔赤い〜〜〜!!」
ドアが閉まる音とともに、
ふたり、深い溜息。
「……ああいう明るさ、時々羨ましくなりますね」
「そうだな。少なくとも、君の鼓動を全部バラされるよりは……」
「……今すぐ口止めしてきます」