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nmmnです。
二次創作となっています。
実際の人物、団体とは一切関係はありません。
妄想、独自の解釈を含みます。
誤字脱字、読みづらい所があるかもしれませんが、見て頂けると嬉しいです。
小説を書くことに慣れておらず、拙い文章になっていますが大目に見て頂けると幸いです。
問題等あれば削除致します。
「ワープマシン、ですか」
「なんやその疑いの目はぁ!時間と場所がワープするらしいで!えっらいもんですわ!」
「はっきり言うと、科学的にもそのような現象を起こすことは現在不可能であると」
「まあまあ!お試し、な!」
いかにも胡散臭い大きなマシンに強制的に乗せられ、がちゃんと扉を閉められた。
『あーあー、聞こえてるかぐち逸!』
狭い空間の中に声が響き渡る。辺りを見渡し、マイクのようなものに返答する。
「聞こえてますよ。ところで、私は実験体ということになるんですか」
『………細かいところはええですやん!』
不安だ。
機械の中はいかにもな椅子、そして沢山のボタンやレバーがこれでもかと敷き詰められている。
触ってしまったら大変なことになりそうなので、おとなしく座っていることにした。
『ぐち逸!pastってなんや!』
「過去です」
『あー完全に理解しましたわ、…多分!』
とても不安だ。
『よう分からんとこは適当に設定した!これでボタン押せばええってわけやな!』
「よくないです」
『スイッチ、オーーーン!!!!!』
扉の小窓からサムズアップをする音鳴さんが見えたと同時に、不思議な感覚ととてつもない重力に襲われ、私は意識が遠のいていった。
_______________
「……____か、大丈__すか、おーい、返事できますかー」
「…ぁ、はい、、っ!!!!」
心配そうな声と節々の激痛で目が覚めた。
ぼやける視界の中、辺りをぐるっと見渡した。
…見えない。かなり。
「あ、これですよね、眼鏡。落ちてましたよ」
「ありがとうございます」
眼鏡を手渡され、かちゃりと身に着けた。
「…………………え」
唖然とした。なぜならそこには、
「見えたみたいでよかった。俺、ロスヨントス警察のレダーです。一旦署にでも行きますか」
『あの』レダーさんが、若々しい姿でそこに立っていたからだ。
理解が追いつかなかった。
過去、ロスヨントス、警察、レダーさん、全てが不可思議な状態だ。
夢を見ている?いや、仮想現実か?
…それとも、現実か。
「お兄さん、どうします?」
声をかけられハッとする。
「ええと、あ、はい、署までお願いします」
「了解です、じゃあ乗ってください」
情報を整理できないまま、ぼんやりと車に乗った。
「シートベルト閉めてくださいね、吹っ飛ぶので」
「ああ、分かりました」
車が発進する。なんとなくで窓の外の風景を眺めると、
『ロスヨントスへようこそ』
大きな看板が、私を歓迎していた。
「ロスヨントスに来たばかりですか?」
「まあ、そんな感じです」
「お名前は」
「空架ぐち逸です」
「ぐち逸さん、ね。来たばかりにしてはかなりボロボロですね、何か事件にでも巻き込まれました?」
事件……まあ事件か、あれは。
「少し面倒ごとに。ああ、救急隊への連絡は大丈夫です」
「へえ、なるほど。個人医とかですか」
「そうですね。言うつもりはなかったんですけど」
探り方がまさにレダーさんだ。直接は聞かず、しかし確実に。
そのあとは当たり障りのない世間話をした。
「着きましたよ。確認したいこと色々あるので、一緒に来てもらえると助かります」
へにゃっとした笑い方をしたレダーさんに少し胸が高鳴った。
署に着いた途端、
「レダーおかえり〜」
「何人しょっぴけた?」
「その人誰ェ!?」
私は絶句した。
868のボスたちが警察服を着て、警察署にたむろしていたのだから。
ありえない。本当に過去のロスヨントスに来てしまったのだろうか。
頬をつねってみたが、痛いだけだった。
「……こんにちは、空架ぐち逸です」
「おっけ調べる」
牢王さんがパッとタブレットを取り出し、私の情報を調べようとした。
「なんも出てこん!?」
「あー歪みかもねそれ。最近あるらしいよ、新規住民のデータがないっていう事案。」
歪みなどではない。ロスヨントスに私は『存在しない』のだから。
しかし幸いなことに、疑われずに済んだようだ。
「レダー、空架さんどうする?」
彼は悩んだ顔で深く俯いた。
「レ、レダー?」
あまりにも悩んだ様子の彼を見かねて、牢王さんが彼の顔を覗き込もうとした瞬間、彼は頭をばっと上げた。
…牢王さんの顔に彼の後頭部が直撃した。
「いっっっっっっっっっっっっっったいんだが!?!?!?」
「体験!体験ってのはどう?ちょうど人足りないし」
「謝罪無しマ!?」
鼻を抑えた牢王さんが大声で訴えかける。
「あ、ごめん」
「は?」
「それでもいい?ぐち逸さん」
「…いいですよ」
「ありがとう、じゃあ案内するね」
言われるがまま、そのまま警察署内へ入ることになった。
「マッジで痛い」
「空架さん、良さそうな人だな」
「下の名前なんだっけ」
「ぐち逸、な」
「鼻血出てるが!?」
「俺、レダーがあんなに嬉しそうなの初めて見たで」
「分かる、俺も」
「…スルー、で!す!かァ!!!!!」
「牢王、居たんだ」
「え、えええ、え、マ?」
「…っていう感じかな。大体理解した?」
「はい。とりあえず通知が来たらその場所に行けばいいんですね」
「細かいとこはその場で教えるから、安心してね」
にこりとレダーさんが微笑む。
…昔のレダーさんはこんな笑い方をする人だったのか。
『あちら』のレダーさんは、今何をしているのだろう。
昔のレダーさんは、屈託のない笑顔をする。しかし今はどうだろうか。
868のボスという責任感が、彼を押し潰しているのだろうか。それともまた別の何か?
しかし、今も昔も変わらないのは、「つかみどころが無い」というところだ。
優しさの中の冷酷さ。会話という名の模索。貼り付けたような笑顔。
どれも分からないことばかりで、頭がはち切れそうになった。昔だって、今だってそうだ。
でも、今目の前にいるレダーさんは___
「大丈夫そう?随分悩んでるみたいだけど、何かわからないことでもあった?」
「…いえ、少し、考え事を。」
「ならよかった。通知来たし、早速向かってみようか」
「はい、分かりました」
やけに違和感のある服を着て、無線を付けて、警察車両に乗る。
『レダーと体験のぐち逸さん、今通知来た銀行強盗に向かいます』
__________________
「正式に警察で働こうか。」
「ありがとうございます。」
過去のロスヨントスにワープしてから…いや、させられてから数日経ち、なぜか私は警察官になっていた。
署長室を出るや否や、
「「「おめでとう〜〜!!!」」」
レダーさんたちが嬉しそうにこちらに突っ込んできた。
「これでなんでも任せ放題だね」
「芹沢はもっと働け!」
「かなり嬉しいわ、いや、マジ。」
「…ありがとうございます」
今更がすぎるが、大きな問題がある。
『どうやって元のロスサントスに帰れるか』と言う点である。
確かに今は幸せだ。こうして一緒に仕事をして、時にははっちゃけて。
しかし、今のロスサントスはどうなっているのか分からない。
私は消えているのだろうか。昏睡状態なのだろうか。忘れ去られているのだろうか。
悪寒が走る。868の皆に、レダーさんに、忘れ去られたくない。
「…ちょ、大丈夫ぐち逸!?なんかあった!?」
レダーさんの声で現実に戻される。
「ええ、大丈夫、です」
知らぬ間に、大粒の涙が頬を伝っていた。
「嬉しくて、つい」
そう答えるしかなかった。
________________
「大型来たぞ!」
署にいる全員が、がちゃがちゃと動き始める。
私も例外ではなく、迅速に準備をして警察車両に乗り込んだ。
「俺も一緒に乗る」
「了解です」
今回の大型は飛行場。ロスヨントスにも同じようなものがあったのか、と少し驚いた。
「こちらレダー、ぐち逸。本署から飛行場に向かってます。現場の様子は」
『犯人7人、現在銃撃戦になってます』
「分かりました、至急向かいます」
「急ぎますね」
「ありがとう、お願いね」
レダーさんはしきりに銃や弾、アーマーの確認をしていた。
夜の高速道路を爆走する。レダーさんを乗せて。
「私って何者なんでしょうね。」
考えていたことを口になんとなく出してみた。
すると、いつものなんでもない顔をして、
「ぐち逸はぐち逸だよ。それ以上でも以下でもない。大事な仲間だよ」
「…そうですか。ありがとうございます」
「どうも」
このままでいいのだろうか。
確かに今は幸せだ。協力者としてではなく、仲間として過ごしている。
しかし、ふと『ロスサントスに帰りたい』と思ってしまう。
心のどこかで『お前の居場所はここではない』と声が聞こえる。
…どちらが本当の「自分」か分からなくなってしまう前に、どうにかしなければならない。決めな ければならない。
「……着きました」
乱雑に車を止める。
『屋上2人、飛行機内に3人、ヘリ1人。難しめではあるよ』
「レダー、ぐち逸、飛行機行きます」
がち、がち、と車に弾が当たる。気づかれたのだろう。
「行くよ」
「はい」
慎重にドアを開ける。
「突撃」
合図と同時に飛び出す。
颯爽とレダーさんがヘッドショットを決めた。
「ナイスです」
「後ろ下がってて」
レダーさんがグレネードのピンを抜き、ぽいと飛行機に投げる。
爆風に紛れて飛行機の奥に向かった。
報告通りならあと2人のはず。
「…くそっ」
逃げようとした金持ちを後ろから複数発撃つ。
爆風が消えた頃には誰もいなくなっていた。
「1人逃したか」
「まあしょうがないです」
「こちら飛行機内、1人逃しましたけどそれ以外は全員ダウンさせました」
『了解!屋上も全員ダウンさせたからあとは金持ち乗せてるヘリだけ!』
上をふと見上げると、ヘリ同士が戦っていた。
がつん、警察ヘリがとどめの一発を刺す。
相手のヘリがこちら側に、ひゅう、と落ちてくる。
逃げ切れる距離ではあるが、もうどうでもいい。そう思った。
「っぐち逸!」
がばっ、とレダーさんに掴まれ、そのまま倒れ込んだ。
「何やってんのぐち逸、死にに行くような真似しないで」
「……はい、気をつけます。レダーさん」
『死にに行く』?…なぜ、私が、そう思ったのだろうか。
一度もそんなことは考えたことがない。考える気もない。
なぜなのだろう、か。
『終わったよー』『切符切ったら休んでいいぞ』
『了解です』『護送しまーす』
無線の声で現実に戻される。
青と赤の光が一斉に移動する。大型は収束したようだ。
「マ、ジ、で、疲れたァーーー!?」
「今回やばかったね、みんなナイスだった」
仕事を終えた仲間たちがわいわいと話している。
「お疲れ様です」
「あ、ぐち逸。レダーに怒られたんだってー?」
夕コさんがにやにやしながら問いかけてきた。
「はい。少しミスしてしまって」
「にしても、あんな怒ってるレダーも珍しいよな」
「何ー?俺の話?」
レダーさんが横からひょこっと横から顔を出した。
「いや、何でも」
全員がレダーさんから目を逸らす。
「え、本当に何」
「なんでもありませんよ、レダーさん。本当に」
「それならいいけどー」
不貞腐れて、レダーさんはどこかへ行ってしまった。
どうも大型での自分自身の行動が気になった。
まるで、死を『望んでいる』かのような動きだった。
本能なのだろうか。それとも、私自身が消えたがっているのか。
この、ロスヨントスから。
消えてしまえば、死ぬことができれば、ロスサントスに戻れるのか?
「『死』が、トリガー…?」
「え、ぐち逸急にどうした」
「ああ、いえ、何でも」
…あの人に、任せよう。
_________________
「非番だ〜!!」
そう言い、レダーさんは大きな伸びをした。
「どこか行きますか」
「いいね、行き先はぐち逸に任せるよ」
彼に、レダーさんに、伝えなければ。
全てを。
戻る鍵を。
見つけなければ。
そう思った。
「…海にでも、行きますか」
「うーわ、綺麗」
「晴れましたね」
「あっちになんかある!」
レダーさんは子供のようにはしゃぎながら走り始めた。
「レダーさん!」
「ん、何ー?」
「お伝えしたいことがあるんです」
足がぴたりと止まり、こちらへ戻ってくる。
真面目な顔をしており、今のレダーさんとそっくりだ。
「私を、殺してください」
「…え?」
「今までずっと言えなかったことがあるんです」
握りしめた拳に力が入る。
「私は、20xx年のロスサントスからからワープ、タイムスリップをしてここにいます。信じられないかもしれませんがね。」
「え、えーと、つまり、」
目に見えてレダーさんが狼狽える。
「私は、この街にいてはいけない人間なんです。だから、殺してください。貴方にしかお願いできないんです。私がここに居れば居るほど、未来が変わっていくかもしれないんです。それが、私には耐え難いんです」
未来が、868が、レダーさんが変わっていってしまうかもしれないのが、たまらなく怖かった。
たとえ自分が消えようとも、それだけは嫌だった。
ただのわがままかもしれない。それでも、
「未来を、変えたくないんです」
…しばらくの沈黙。
「…よし、わかった。信じるよ、全部ね」
「ありがとうございます」
これで、全てが終わる。私が消えれば、元通りになる。確信はないが、そう思った。
「じゃあ、さようならかな。とても楽しかったよ。一緒に事件対応したり、全部が楽しかった」
震えた声でレダーさんは言った。
「私も、楽しかったです。どうか、お元気で。」
私のこめかみに銃が突きつけられる。
手はかたかたと震えており、悲しそうな顔をしていた。
「本当に、終わらせてもいいの」
「いいんです。私のエゴですから」
ぎゅ、と目を瞑る。
「ありがとう。」
ぱぁん。
視界が真っ暗になり、自分が消えていく感覚と共にどこかに引っ張られていった。
「これで、良かったんだよね。」
そう彼は呟いた。
__________________
「おはよう、ずいぶん長いお昼寝だったね」
「……おはようございます。音鳴さんのおかげでね」
「あはは、あいつまた何かやったな。あの粗大ゴミみたいなのにでも入れられた?」
「粗大ゴミ……あぁ、ワープマシンのことですか」
「え!?どこにワープしたの?いつにワープしたの?」
きらきらと子供のような目で問いかけられる。
「偽物ですよ、あれ。ただ眠らされただけです。ワープもタイムスリップもしませんよ」
「なんだ、つまらないじゃん」
一つだけ、聞きたいことがあった。これだけは聞いておきたい。そう思った。
「警察で働いてた頃、868の方たち以外に仲間とかって居ましたか」
「うーん、もうほとんど記憶もないんだけど、不思議なやつが居た気がするんだよな」
「まるで、ぐち逸みたいな?」
「…そうですか」
「これ聞いて何になるの」
「何にもなりませんけど、ふと気になって」
「はは、何だそれ」
閲覧して頂きありがとうございました。
感想など頂けると幸いです。