テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
#YJ
23,099
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
常連「しんとくん、次は何時歌ってくれるんだい? 」
おれの心配とは裏腹に、自身の弾き語りは想像以上の反響を得ているらしい。
不定期かつ顔出しNGとしているので、月に数回、バックヤードから歌う程度なのだが、ありがたいことに自身の歌声を気に入ってくれる人が多いようだ。
🚺「あらあら、しんとくんの歌、人気ねー♫しんとくん、次はいつにするー?」
バックヤードで作業するおれに、カウンターから声がかかる。
💛「んー…特に決めてなかったんですけど…いつがいいですかねぇ…」
常連「あ、じゃあさ!来月の3日はどう?」
💛「…第一週の土曜日ですね。大丈夫です。何かあるんですか?」
不思議に思って声をかけると、マスター🚺から明るい声が
🚺「あ、もしかして、うちのオープン日じゃない?」
常連「そうそう!めでたい日なんだからさ!しんとくんの歌で更に盛り上げてもらえばいいじゃない」
💛「そうなんですか?是非…おれの歌声がプレゼントになるかなんて分からないですけど…」
🚹「今までも常連さんが記念日を祝ってきてくれたけど…今年はしんとくんの歌付きで祝ってくれるなんて…すごく幸せなことだね」
🚺「そうね!まだ少し先だけど、今から楽しみだわ!!」
張り切るマスターと常連さんの姿をそっと裏から覗くと、みんな幸せそうな顔をしていた。
自分の歌で、人を笑顔にできる―――
この感情が懐かしく感じた。
同時に、寂しくも感じる。
💛「今までは…この喜びを5人で分かち合ってたんだよな…」
5人で収録するバラエティ、5人で意見を出し合って撮影するSNS用動画撮影、5人とみ!るきーずと作り上げるコンサート…
どれも、今の自分にはできないことだ。
あの日、限界を感じて逃げてきた自分。
本来であれば自分は脱退し、もうあの場所には戻れないはずだった。
💛「…結局、おれはどうしたいんだろう…。」
あの場所に戻りたい気持ちもあるんだろう。
けど、またあんな被害を受けることになってしまったら…自分は耐えられるのだろうか…
まだマネージャーは助けてくれるだろうか…
💛「(まだ誰かに助けてもらおうとしてんのかおれは…はは…ッ。情けな…。)」
おれはただただ震える身体を抱きしめることしかできなかった。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼