家に着いた瞬間、
外の冷たい空気がふっと消えて、
中のあたたかさが肌にゆるく触れた。
蘭丸「よしよし、もう帰ってきたよ〜、あったかいねー。」
晴明は、
返事の代わりに蘭丸の服をきゅっと強くつまんだ。
蘭丸が軽く晴明を抱きあげようとした瞬間、
腕に“ちくっ”とした痛みが押し寄せてきた。
晴明「……っ……、っひ……」
口がうまく動かない。
言葉にはできない。
でも、涙がぽたぽた落ちてしまう。
蘭丸「あ、ごめん当たっちゃった?痛かったよね……」
駆け寄ってきた道満が、
晴明の腕をのぞきこむ。
道満「ったくこんなんで泣くとか⋯⋯。」
その声はいつものぶっきらぼうだけど、
静かで落ち着いていて、晴明の胸にすっと入り込む。
晴明は涙をこらえようとしたけれど、
またちくっと痛みが走り、
晴明「……ぅ、……っぁ……ぁ……」
声にもならない泣き声だけが漏れた。
道満が溜息を付いた後、晴明をそっと抱き上げた。。
道満「⋯⋯今日だけだからな。 」
ゆらゆらと体を揺らしながら
晴明の背中に手を当てる。
晴明は必死にしがみつき、
小さな子みたいに胸元で涙を落とす。
蘭丸が前を歩きながら言う。
蘭丸「僕布団敷いとくね。……泣き疲れて寝ちゃうかもだから。」
その声に、晴明の肩の震えが少しだけ落ち着く。
布団の上にそっと寝かされると、
晴明は腕をかばいながら丸まって、
まだ小さくしゃくり上げていた。
蘭丸は横に座り、
髪をやさしく撫でながら言う。
蘭丸「……もう、 痛いことしないからね。だから大丈夫だよ。」
晴明は言葉を持たないかわりに、
蘭丸の服の端をそっと指でつまんで、
ぎゅっと握りしめた。
それが
「ここにいて」
「こわい」
「はなれないで」
全部の代わりの、ひとつの動き。
蘭丸はその小さな手を包んだ。
蘭丸「……はいはい。ここにいるよ。」
晴明のまぶたは涙で濡れたまま、
ゆっくりと閉じていった。
続きどうしよう……なんか良いネタないかな
コメント
11件

道満のぶっきらぼうさと蘭丸の優しさ、どっちも好きすぎる!!!!
晴明くんそろそろ言葉出して2人驚かせて思っいきり甘えさせたら…(*´꒳`*)ヨキ♡
=͟͟͞͞♥)((´ཫ`*):∵グハッ! あお……ちゃ……ん…… ショタ明…が……か……わい…い……_(:3」 ∠ )_(バタッ