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騒がしい教室を出たあと、私はそそくさとある場所へと向かっていた。教室ほどでは無いけれど廊下もかなり騒がしかった。
(こんな所にいるとおかしくなりそう、なんでこんなにうるさくするのかしら。)
なんて思いながら早歩きであの場所へ向かう。そんな時だった。
“あれ、××じゃん久しぶり。そんな早歩きでどうしたの?”
⋯最悪だ。私がいちばん嫌いな人に見つかってしまった。私はどれだけ他の人から悪口を言われたって、悪戯をされたって気にしないけど。彼にだけは絶対に会いたくないのに。
“ねえ無視?ちょっとさぁ返事くらいしてよ寂しいじゃん”
ウザい。へらへらとしているその態度。私を見つめるとろんとしている目。甘ったるい声。全てが不快で不快で仕方がない。
“あ、もしかしてあの娘と会おうとしてるの?⋯⋯あのさ、言い方悪いかもだけどあの娘男達の中でも都合のいい女扱いされてるんだよ。もしあの娘と仲いいなんて思われたら、君も同類だって見られて……同じように扱われちゃうよ。悪いことは言わないからあのことは関わるのをやめ⋯⋯”
彼は急に驚いた顔でこっちを見た。私が睨みつけていたことにやっと気づいたようだった。
“あのさ、私の幼なじみだからってそんな子供扱いしないで。私が誰と仲良くしようが勝手でしょ。それにあの娘は⋯⋯”
ハッとした。ここで”あのこと”を彼に話したら言いふらされるに違いない。そうなるとめんどくさくなってしまう。
“⋯⋯⋯私の親友だから、そんな酷いこと言わないでよ。ほんとにあんたのこと嫌いになるよ?”
“……そんな……あの娘の事を酷く言おうだなんて思ってないよ。……ごめんね。お願いだからこれからも仲良くして⋯⋯”
気持ち悪い。私が嫌いになるって言うと毎回こう言ってくる幼なじみ。彼は私に依存しているから、私が離れるのが怖いのだろう。
“分かったから。じゃあね”
めんどくさくなるのは嫌だし、これ以上彼と話しているのも不快だ。私は笑顔で手を振って、早歩きであの場所へ向かおうとする。
“あーぁ、また止められなかった。⋯⋯いつになったらお前は僕のものになるの? あの女さえ居なければいいのにな。”
……彼が別れ際にぼそっとそう聞こえたような気がした。けれど私にはその場にいる時間さえも無駄だから私はそのまま立ち去った。
“そーいえばあいつら……どこで会ってるんだろ。着いてこ”