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猫を被った僕

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猫を被った僕

5 - 第5話 隠し事

♥

480

2025年04月22日

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💛side

まさかふたりが家に来るとは思わなかった。何か怒られるのではないかと怯えながらトマトパスタを作った。


「はい、どうぞ」


♥️「わぁー、久しぶり!

りょうちゃんのトマトパスタ!!」


💙「そうだね。

あれ?りょうちゃんは食べないの?」

「あー、僕さっき食べたんだよね……

ちょっと、食べてて、部屋行ってくる 」


さすがに栄養をつけなきゃと思った僕はサプリメントを大量に摂取した。最近は寝ようと思っても眠れない。なので睡眠薬をよく飲んでいる。速く戻らないとふたりに怪しいまれると思ってまたリビングに戻る。するとふたりはもう食べ終わっていた。ソファに深く腰かけてスマホを見ていた。


♥️「りょうちゃんー!こっち来てー」


元貴に手招きされてふたりの間に座る。いつぶりだろう。こんなにゆっくりしたのは。いつも寝る間を惜しんで練習して指に痣ができ、ボロボロになるまでやってるにちっとも上達しない。こんな自分に嫌気がさす。すると、自然と深いため息がつく。


「はぁー、(ため息)」


♥️「あれ?りょうちゃんおつかれ?(笑) 」


💙「大丈夫?」


♥️「しっかりしてよ、最年長(笑笑)」


「うん、大丈夫!」


最年長かぁー。もっと頑張らなくちゃいけないの?そうだよね。才能のあるふたりは新曲もすぐ出来て何より羨ましい。僕はいまだにBFFが弾けない。考え事をしていると、元貴が僕の膝の上に頭を乗せて来た。子犬のようで可愛い。

いつも作曲を頑張ってる。僕と比べ物にならないくらい。僕は優しく頭を撫でる。隣の若井も何故か今日は僕にくっついている。腕にずっとくっついて離れない。「どうしたの?」と聞いても返事がない。でも僕はこの空間が好きだった。この時だけちゃんと必要とされている気がする。暖かい。好きな匂いと人達に囲まれている。でもBFFと言う言葉が頭によぎる。あれは若井のための曲。僕は何なのか。そう考えてるうちに僕とふたりも眠ってしまった。



💙side


りょうちゃん君は一体なにを隠しているのか。

何か悩み事でもあるのか。あのボロボロで血のついたBFFの楽譜はなんなのか。ただの怪我?

聞きたいことは山ほどあったのに怖くて聞けない。隣に座るりょうちゃんを見て驚いた。指がボロボロだったから。ところどころ絆創膏を貼っていてとても痛々しかった。それでも僕は「どうしたの?」のたったの一言も言えなかった。ただ怖くて君を抱きしめることしか出来ない。凄く細い腕、ご飯をあまり食べていないことがすぐに分かる。濃い隈までつけている君は一体何を隠しているの?







この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

最後の若井さんの「一体何を隠しているの?」のところで目がにゅーんってなりました… 今回も表現が丁寧ですっごく素敵です✨ 見るのが遅れたのが凄く悔しい気もします… 次は一番にいいねとコメントができるように、通知を楽しみに待ってますねっ!

ユーザー

表現力がすごい、、 なんで遅くにこんな良い作品を見つけなかったんだ( ´ᾥ` )

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