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いい見本がここにいる。
しつこくて情けないんだ、僕は。
雫さんは「死ぬまで僕の憧れ」、それだけは変わらない事実。
でも、その思いを抱えてたとしても、それでも……
いつも奥さんを輝かせてあげられるような、そんな夫にならないとって思うから。
だから……
だから、渡辺 希良は……
いつも自分のために頑張る妻と、可愛い子どもを……
これから先、一生守り抜いていこうと思う。
わかってたつもりだったけど、雫さんのおかげでそれを改めて決意し直すことができた。
ダメな気持ちに喝を入れてもらえたような、そんな気持ちになった。
ますます綺麗で輝いて、幸せオーラをまとった雫さん。
いつまでも、そのままの雫さんでいてね。
今日、あなたに会えて本当に良かった。
「希良先生!! 写真撮って~」
「あっ、待って! 今行くから」
「生徒さん?」
「うん。僕、人気あるみたいだから」
満面の笑みで雫さんに言った。
雫さんも笑った。
可愛すぎるよ、その笑顔。
「希良先生、これからも頑張ってね。体に気をつけて。ずっと……幸せでいて」
「うん、ありがとう、雫さんもね。あの人と正孝君がいるから、雫さんは大丈夫。今日は会えて嬉しかった」
「ありがとう、希良君」
そう言って、雫さんはうなづいた。
「じゃあね! いつかまた、こんな風に会えるのを楽しみにしてる! それまで……バイバイ」
懐かしいセリフ「バイバイ」なんて、しばらく口に出してなかったのに。
雫さんとの思い出、あのキラキラした時間。
カラフルに彩られた僕の頭の中の景色が、また鮮やかに蘇った。
笑顔の2人……
手を繋いではしゃぐ姿が、まるで映画のワンシーンみたいにスローモーションで流れる。
あまりに素敵な1日。
たった1回のデートだったけど、鮮明に僕の心に残ってる。
一生忘れられない。
あの時の「後ろ向きのジェットコースター」に、今、僕の大切な生徒達が乗ってる。
みんなの楽しそうな笑顔、それがとても嬉しい。
今日は、この子達のことを1番に考えられるよう、懐かしいあの日の記憶は、一旦、心の奥に閉まっておこう。
「よし、写真撮ろう! みんな入って」
「私、先生の隣~」
「ズルい! 私も~」
「はい、撮りますよ。笑って下さい~」
修学旅行のアルバムは、きっとみんなの笑顔で溢れるだろう。
いつか彼らが大人になって見返した時、懐かしい最高の思い出として語れるように……
今、この青春を、精一杯楽しんでもらいたいと願った。
雫さん……
今度こそ、これで終わり。
2度と会うことはないけど……
それでも、今日雫さんに会えた奇跡に感謝して、また明日から、笑顔を忘れずに一生懸命頑張るね。
本当に……僕に出会ってくれてありがとう。