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紅葉@物語作成中
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柘榴とAI

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何これ……シーツかなんか? なんだって急なこんなものが降ってくるの? 私は頭上の上の謎の布をどかそうともがいてみる。だけど布は想像外に大きいらしい。頭上から退けることができない。この布、妙に分厚くて重い……。
「あのう……チェシャ猫さん? そこにいる……?」
適当な方向に呼びかけた。
「なんだい、アリス」
案外すぐそばから声が返ってきて、ほっとする。怪しすぎる人物だけど、誰もいないよりはよっぽどいい。
「ねえ何なの、この布。どうなって……きゃあああああっ!?」
「どうしたんだい、アリス」
布の向こうから彼ののんびりした声がする。
「ななななななんで!? 何で私裸なのっ!」
確かに、さっきまで制服着てたよね? 脱いだ記憶も脱がされた記憶もないよ!? 混乱する私の頭上で、布がサワサワと乱れた。急に視界が開ける。
「!!」
目の前には、巨大なチェシャ猫のニンマリ顔。私は今日何度目かの盛大な悲鳴をあげた。咄嗟に自分を抱えてしゃがみ込む。
「チェシャ猫さん、後ろ向いてえっ!」
「どうしてだい?」
「いいから後ろ向くーー!!」
私に怒鳴られて、チェシャ猫はくるりと後ろを向く。
「目も瞑ってて! 私がいいって言うまで、こっち見ちゃダメだよ!」
「僕らのアリス、君が望むなら」
呑気な声がそれに応じる。私は元の布の下に潜り込んだ。
「何で、何でこんなことになってるの!? 服、服は!? 何であなたはそんなに大きいのーー!?」
「大きくないよ。アリスが小さいんだよ」
「わ、私!? 私が!? 小さいって何!? 何それ、ど、どういうっ……!?」
「小さくなったんだよ」
「だっだだ、だから……!」
「アリス、ゆっくりお話し。真実は逃げないよ」
何それっ。だ、だけど一理ある。そうだ、落ち着こう。非常時ほど冷静にって、小学生の時の防災訓練で教わったもの!
私は何度か深呼吸して、気を落ち着かせる。落ち着いて……考えてみよう。小さくなったって、小さくなったってどういうこと? 言葉通りに考えると、縮んだってこと……?
「!」
私は頭の上の布を見上げた。これ、まさかセーラー服!? そういえばこの濃灰色、なんか見覚えがあるな。あとは……。私が小さくなったから、服が抜げた……。で小さくなったから、相対的にチェシャ猫や世界が大きく見えていると……。
「何で!? なんで縮んだりするの!? 人間って縮むものじゃないでしょ!?」
「縮むものだよ、アリス」
16年間培ってきた私の常識をあっさり否定する。そ、そうかな? そうだっけ? そういうものだっけ……?
「ストロベリージャムパンを食べれば、誰でも縮むんだよ」
「それってさっきの腕のパンのこと?」
「そうだよ」
「なんでパンを食べると縮むの?」
「縮むようにできてるからだよ、アリス」
「…………」
ここまで来ると、もうどこをどう異議申し立てしていいのかわからない。
「くしゅん」
ぶるっと鳥肌がたった。忘れてた。そういえば寒い。先にこっちをなんとかしないと。どうしよう。何か体を隠せるもの……。
私は脱ぎ散らかした自分の服を物色する。セーラー服のスカーフに目がついた。ちょうどいい大きさかも。
ちらっとチェシャ猫を見ると、大人しく後ろを向いている。私は素早くスカーフに駆け寄ると、それをほどいて体に巻きつけた。スカーフでも今の私には、ゆうに特大バスタオルくらいの大きさがある。とりあえずは……これでいいか。
ふうっと息をついて辺りを見回した。天井がどこかの大聖堂のように異様に高い。世界のものが大きすぎて、視界に収まりきらない。信じたくないけど、縮んだというのは事実らしい。な、なんで私がこんな目に……。
私ははぁあとため息をついた。廊下は伸びるし、ウサギ人間には会うし、腕のパンとか出てくるし、それを食べて縮んじゃうし、おまけに素っ裸にさせられるし……。
そこで私は、とらっと目の前の謎の人物を見上げる。唯一出会った人は、私の話を全く聞いてくれないし……。ん? ちょっと待てよ……おかしなことが起きたのって、全部この人に出会ってからじゃない? この人が全ての元凶なんじゃ。
そう思うと、にわかに怖くなった。パンを、食べさせて、私を小さくして、どうするつもり……!? 一緒にいると絶対! ろくなことにならない気がする!! 逃げよう。
わたしはそうっと回れ右する。
「どこへ行くんだい、アリス」
「!!」
思わず叫ぶところだった。相変わらず向こうを向いたままなのに、やたら鋭い。
「ど、どこも行かないよ」
「もうそっちを向いていたかい」
「だ……だめ」
「そう」
それだけ言うと、再び黙り込んだ。私がいいって言うまでこっちを見ないと言う言葉の律儀に守ってくれているみたいだ。意外に素直……ううん! ここで絆されちゃダメ!
私は足音を忍ばせて、チェシャ猫のそばから離れた。スカーフがずれ落ちそうで遠く歩けない。
「どこへ行くんだい、アリス」
「!!」
向こうを向いたままのチェシャ猫が、さっきと同じ言葉を蹴り返す。
「べ、別に……どこも行かないわ……!」
答える声が震える。この人、頭の後ろに目でもあるの……!?
「もう後ろを向いてもいいかい」
「だっ、ダメ。絶対だめっ!」
「そう」
やっぱり変だ。そばにいないほうがいい。
スカーフをたくし上げると、足音を立てないように小走りで走り出した。特別どこかへ行こうと言う考えはない。とにかくここから離れて……チェシャ猫をまかないと。
走って走って息が途切れ始めた頃、前方に扉が見える。あれは、さっき見た小さな扉だ。ただ今見ると、普通より少し小さいだけの普通の扉に見える。そうか。この大きさだったら、あそこを通れる! 確か扉の向こうには階段があったはずだ。下りればきっと外にーー。
「どこへ行くんだい、アリス」
「きゃあああああっ!?」
スカーフの裾を踏んづけて、その場にべしょっと転んだ。慌てて振り返ると、すぐ後ろにチェシャ猫が立っていた。気配も足音も全くしなかったのに!
「なっなな……!」
「もう後ろを向いてもいいかい」
変だ! この人、絶対に変だ! いくら私がいいって言うまでこっち見るなって言ったからって、普通そのままでついてくる!?
「アリス、もういいかい?」
「!……だめっ!!」
こうなったらこっちも意地だ。
「そう?」
チェシャ猫はやっぱり異議を唱えるでもなく、たた頷いた。後ろを振り返りながら歩くと、黒色フード男は後ろ向きのままするすると追いかけてくる。この人は後ろに目がついているに違いない。新手の妖怪かしら。
「つっ……ついてこないでください……!」
「どうしてだい」
「あ、あなたといると良くないことばっかり起きるもん!」
「でもアリス」
「いいからついてこないでっ!!」
「僕らのアリス、君が望むなら」
彼は歩みを止めた。私はその隙に猛然とダッシュして、小さな扉に飛びつく。この扉は小さい。あの人は通れないはずだ。
私は扉の向こうへ急いで駆け込んだ。
コメント
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もう第5話、一気に読んじゃったよ! アリスが小さくなっちゃってスカーフ巻いて隠れてる姿、めっちゃ可愛いのに全部が不気味でドキドキした…😳 チェシャ猫、後ろ向きのままどこまでも追ってくるの本当に怖いのにどこか優しくて、そのギャップがたまらないなあ。 「僕らのアリス」って独占してる感じ、すごく好き。続きが気になりすぎるよ🥀🧡