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小さい頃から体が弱かった。
「〜〜！〜ww」
R「…」
病室の窓から外を見つめる。
俺はまだ小学生だった。
子供には未来がある。だが俺にはそういうものはなかった。
「残念ですが…ロボロくんの病気は、治るものではない…ですね…」
まだ幼い頃に医者の人にはそう言われた。
俺には未来というものがない。
どうせ大人になるまでに死んでしまう。
治りもしない病気のせいで、遊びたくても体が言うことを聞かない。
親は医者に治らないと言われた時泣いていた。
その時俺はまだそれが何かよく分かっていなかった。
「ごめんね…ｯｸﾞｽｯ病気のない体で産んであげれなくて…ｸﾞｽｯﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ」
俺のお母さんは病室で横たわる俺によくそう言っていた。
俺は神様は不公平だと思う。
世の中には天才と凡人がいる。
俺はその凡人でしかも負け組だ。
何をしようとしても上手くいかない。
天才はただ生きているだけで褒められる。
少しひねくれた考えだが、俺にはそう思えてしまう。
神様は俺のような体も弱くて、頭も運動も出来ない凡人を作り上げる。
この世界は残酷だ。
個人個人で圧倒的な力の差がある。
齢16歳。これはただ人生を諦めていたロボロの話である。
16歳の春＿＿…
「貴方も…もう16なのね…ｯｸﾞｽｯ」
R「泣かんといてや母さん…笑」
俺はロボロ。
今年で16、高校生になった。
今は薬でなんとか学校に通えるようになった。
医者にもう長くないと言われ続けて16年。
死は怖くなかった。
ただ、母さん達に親孝行も何もしない、友達も出来ない、そんなまま死ぬのは嫌だった。
だから、ロボロは自身を偽ることにした。
明るく、出来るだけ、辛く思っていなそうな顔で、声で。
そう思い、入学式を迎えた＿＿
ガララ…
ここが学校…教室か…！
初めて病室以外で授業ができる…！そうワクワクしながら教室に入った。
「はい、今日は皆入学式おめでとう！初対面のやつもおると思う、あ、当たり前やな」
先生は少し面白そうな人だった。
何気ない一言で皆が笑う。
そんな中、退屈そうに先生を見ている奴がいた。
R「…？」
なんやコイツ…？髪は茶色で緑色のフード…？みたいなもんを被ってる。
目は隠れて顔はよく見えないが、ただ退屈そうだった。
「よーし、じゃあ自己紹介しよかー？」
先生がそういい、前から順に自己紹介が始まった。
ロボロは緊張すると思いながら順番を待っていた。
ｶﾞﾀｯ
「えー、ゾムです。よろしく…」
…え、それだけなん？？なんかもっと好きな食べ物はー！ッ的なやつ無いん！？なんやコイツ…？？
ロボロは不思議な顔で横の席の者を見つめるが考えているうちに順番が来てしまった。
「はい次その後ろのチビー」
R「チビじゃないですぅ！！
えー、ロボロでーす！！高校は友達めっちゃ作りたいです！お願いします！！」
ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…
ふー、終わったぁ…そう思って座ると何か隣から視線を感じ、そちらを見ると、隣のゾムがこちらを見ていた。
Z「…」
R「…ん？？」
え、こわ…なんでそんな真顔で見つめてくるん…？？しかも無言やし…こわぁ…
Z「…お前その天って書いてあるやつなんなん？？」
R「…あー、これ？まだ教えれへんなぁ〜w」
Z「ふはっ、なんやそれ笑」
あれ、そんなに怖くない…？
R「なーゾムって呼んでええか？俺はロボロでええから！」
Z「うーん、ロボロね、ええよ。よろしくなっ！」
R「おう！！」
コイツとは仲良くなれそうや！第一印象はなんや怖そうやったけど、そんなことないな〜
これで、友達は出来た…っ
後は、死ぬまでにそいつの役に立って、何か残して、死ねれば完璧やな…！
今はただ、出来た友達を大切にしよう。そして、死ぬまでの時間を精一杯楽しもう。そう思えた。
入学式から数日がたった。
やっと高校生活に慣れてきた。
俺の横には常にゾムがいた。
あれから俺らは行動を共にしている。
ゾムは気さくで話しやすく、クラスの人気者になっていた。
ゾムはとにかく面白いやつだった。
R「…ｯ！ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」
Z「！？大丈夫か…？」
そう言ってすぐ俺の背中をさすってくれる。
やっぱ友達って心地ええなぁ〜…
R「ん…ｯｺﾞﾎｯだい、じょーぶ」ﾆｯ
ただ、笑う。
そうすれば、相手は安心する。
Z「お、う…お前、風邪か…？」
R「まぁ〜そんなんもんやな！大したことないし！」
ゾムは心配そうに俺を見つめれば、そうか…と目をそらす。
あぁ、俺はダメだな。
ゾムには心配させへんように、迷惑かけへんように過ごさなな。
死ぬまでに出来た、たった一人の親友やから。
まだ、ゾムには伝えない方がいい。
なんなら死ぬまで言わないままでは良いのでは無いのだろうか。
そう言ったらゾムは怒るんやろうな。
なんで言ってくれなかったんや。
相談してくれなかったんや。
俺の事信用してないんか？って。
でも、世の中には知らんでいい事やってある。
俺やって、ずっと仲の良かった親友が病気とかやったら知りたくないし。
で も何も言わず死なれるのは怒ってしまう…な。
そっか怒られてまうもんな。笑
よし、生きよう。
できる限り。
俺の命が尽きるまで。
寿命が無くなるまで。
我武者羅に、生にしがみつこう。
Z「なぁロボロ。俺に言ってないこととか無いやんな？」
R「…そんなん無いわ！なんや急に！」
Z「…そっか。そうやろな笑」
そう。これでいい。
今はまだ、この時間を壊したくない。
俺の命が燃えて無くなるまでに、ゾムや母さんに色々なものを残そう。
これから出来る友達にも。
病気のことを伝えるにはまだ、
早い。
次回♡=100
新連載ですー！
ロボロさんを見守ってね♡
コメント、♡宜しくお願いします！
コメント
4件
ｳﾜｯ…なにこの神作…好きなんですが…好きすぎる。もう好きという言葉しか出てこない
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